○予期せぬお客様
昨日外出先から家に帰って玄関の戸を空けた瞬間、けたたましく電話が鳴り始めました。トイレにも行きたいしどうしようか悩む間もなくとりあえず電話の受話器を取りました。商工会からの電話です。聞けば私が7月に講演を頼まれた行った島根県雲南市から視察依頼とのこと、「何時ですか」と訪ねたら無謀にも間もなく到着するとのこと、一瞬顔が曇りました。「ひょっとして視察依頼を忘れていたのでは」と思ったからです。「とにかく商工会では何も分らないので相手の方の電話番号を聞いているのでそちらへ電話をして下さい」というのです。内心困りました。今夕は神社の集会があり、さらに間もなく旧友がわが家へ集会の打ち合わせに来る事になってるのです。それでも深いご縁をいただいているので電話をかけました。相手はもう伊予のインターチェンジを降りたとの事、仕方がないのでシーサイドについたら電話をくれるように言って、間もなく到着する予定の友人に少し遅らせてくれるよう頼んだり、神社の集会に少し遅れる旨の電話をかけました。運の悪い事に東京から2本の電話が相次いでかかり、八方塞の状態でした。
間もなく相手がシーサイド公園に着いた胸の電話が入り、急いで単車を走らせました。奥出雲と書かれた大型バスでの来町です。もし私が留守だったらどうするんだったんだろうと思いながら、恋人岬辺りへ40人ほどの商工会女性部の方を案内しました。
聞くところによると今日の目的地はしまなみ海道の途中にある西日光耕三寺とか、その後シーサイド公園で夕日を見学する日帰り強行軍で、雲南市に到着は午後11時過ぎというから驚きの行程です。いきなり何の前触れもなく来るあたりはやはりオバタリアンのやることで、その行動にはあっけにとられた次第です。
聞けば一行は高速道路を走って来たのですがバスの中で激しい雨に会い、双海町の自慢の夕日は完全にあきらめていました。それがどうでしょう。シーサイドはそのにわか雨が沖合いを通ったため雨もポロポロで、自慢できる夕日ではなかったものの西の空も夕焼けに染まり何とか面目を保ちました。私の話もショートコメントながら研修に彩を添えました。一行はその後下灘駅を一目見て、地元のレストランで食事をして帰ってくれました。経済効果抜群のお客様だったようで、神様・雲南様といいたいところです。
予期せぬお客様でしたが、島根県旧吉田村で開かれた7月3日の研修会で記念講演した私の話を覚えていてくれての来訪は嬉しい限りです。私の話の内容はさておき、とても楽しい話だったと口々にお世辞を言ってくれました。島根県といえば宍道湖に落ちる素敵な夕日の見える地域です。夕日に着目して夕日によるまちづくりを始めた頃は、幾度となくその夕日を見に行ったものです。あれから20年が経ち、今ではその夕日の本場からわざわざ双海町へ夕日を見に来てくれるようになったのですから偉いことです。これからもしっかりといい夕日の物語を作って、満足してもらえるよう頑張りたいものです。
「もう着いた 電話の向こう したたかに 私を誘い 夕日の話」
「七月に 会った顔々 ちらほらと 出雲の里の なまり懐かし」
「行きがけに 大社参りを したお陰 孫無事生まれ 何はともあれ」
「世も変り 夕日の県から 視察来る オンリーワンの 自慢の夕日」