○氏神様の建設事業
この2年間、自治会長として様々な地域課題に取り組み、地域の自治活動にかかわってきましたが、中でも氏神様である天一稲荷神社の建設問題ではかなりの苦心をしました。これまで政治活動や宗教活動には公僕の身だったのでまったくタブーとされる世界として傍観していました、しかし自治会長となると市会議員の選挙や県議会議員の選挙への地元貢献もしなければならず、氏神様の春と秋の祭礼は総代会の副会長として寄付行為や祭礼の運営にも深く関わらなければならなかったのです。
私が自治会長に就任した時には既に神社の建設問題は一見速いスピードで進んでいるように思われました。でも氏子である住民の意見を十分に掘り起こすこともなく進めていた、一戸当たり一律15万円もの資金拠出の説明会が大もめとなって白紙に戻ってしまいました。訳も分らぬままにいきなりトンネルの暗闇に入った建設問題を正常化するには一度ゼロに戻し合意形成を組み立てていく以外ないと判断し、住民集会や文章での周知徹底、建設委員会の組織化など様々な苦労を重ねてきました。
こうした作業は得てして推進者に対する不満意見が出て、誰か悪者を作り責任を取らさなければ収まらないものです。でもそれだけは避けたいと頑張りましたが、結果的には「あの人がこんなことをするからこうなった」という目に見えない意見の責任を取る形で、代表者が身を引き一件落着したのです。
総代会の意見は密室で行われるため情報公開されていませんでした。また総代も1~2年の義務任期なので氏子への説明も不十分で噂話程度の説明しかしていなかったので、約500戸の氏子にチラシのような文書を作成し周知徹底を図りました。建設委員会も時には一週間に一度ペースで開き、様々な問題をクリアーしてきました。
総代会の正常化、建設委員会の組織立ち上げ、建設の根拠となる専門家による建築診断、診断結果の検討と建築方針決定、住民説明会の開催、氏子への資金積み立て周知徹底などを経て建設に至るまで1年半も費やし、今年の春やっと入札で施工業者が決定し今は秋の完成に向けて工事が進んでいるのです。
建設半ばなので責任を取る意味からも自治会長は再任という大方の意見でしたが、建設委員だけは続けるという約束でその大役を3月末で降りました。
昨日は新たに発生した資金不足を補うための特別寄付をお願いする文章の作成を頼まれたので、久しぶりに神社に赴き、建設風景を見学させてもらいました。拝殿の屋根の葺き替え工事、幣殿の新築工事、本殿への階段工事なども順調で、完成予定は10月なのに予想以上の進捗で、夏ごろには完成するようです。
降って湧いた田舎の小さな氏神様の建設を巡る小さな騒動は、記憶の彼方に消えてゆこうとしています。そんな小さな騒動をまとめて氏神様を守ろうと努力した自治会長の奮戦記は、私だけの、多分人には読まれないであろう小さな名もなきブログの1ページとして消えてゆくことでしょう。
追伸
数ヶ月前、氏神様の工事を前に現況写真を撮っておこうと、パラグライダーに乗る友人に、上空からの写真をお願いしまし
先日その写真がDVDで届きました。綺麗に撮れていました。
「氏神を 巡る小さな 騒動も 歴史の隅に 忘れ去りゆく」
「寄付金を 募る文章 起案する さてどれだけの 人が賛同?」
「おだてられ その気になって 頑張った 過ぎてしまえば 苦き思い出」
「ああ俺も 田舎の隅で 消える露 せめて存在 心によぎる」