shin-1さんの日記

○ツツジの花の咲く頃

 今年も季節は巡り、わが家の庭先にも色とりどりのツツジの花が咲き始めました。通りに面した下から見上げると長い土塀もわが家の特徴ですが、その土塀を含めると100メートルを超えてツツジの生垣が続いているのです。このツツジは私が挿し木で育てた平戸ツツジの苗を細長い家の横にある家庭菜園に沿って植え込んだため花の帯って感じがします。私は植えただけですがこのツツジの花守りはもっぱら親父の仕事で、剪定や除草、施肥や消毒などの作業を一手に引き受けて世話をしています。このところの初夏を思わせる陽気に誘われて一輪、二輪と咲く花の数を増やし、特に白系の花はもう満開に近い状態です。花は近く遠く色々な角度から楽しむことが出来ますが、冬の寒さを経て一年に一度だけ咲く花はいとおしく、もっともっと愛でてやりたいような心境になります。このところの周期的に短い雨の影響でつつじの花の持ちも更に短くなることが予想されるので、早めに花見をしなければなりません。

 毎年わが家の庭には親父の兄弟姉妹など親類や知人友人が花見にやって来ます。年老いた親父にとっては一年で一番嬉しい季節かも知れませんが、親父の年齢が加算されると同時に親父の兄弟も何人かは高齢になって足が遠のきつつあります。昨日も松前町に住む85歳になる親父の弟の家へ出かけたついでに花見の誘いに立ち寄りましたが、自分の部屋で転びベットの端で打撲したとかで顔一面大きく腫れ上がって見るも無残な姿になっていました。老いはこうして私の身の回りにも進んでいるようです。

 わが家のツツジは大きく分けると4種類に大別されます。白、薄紫、濃紫、班入りですが、白が一番早く咲きついで班入り、薄紫

、濃紫と続いて咲き続けるのです。家の裏庭にも数本のツツジが植えられていますが、これらは日当たりの関係でしょうかまだ花はぜんぜん見えない状態で、生垣のツツジの花が終わってから咲くので2度楽しめます。今になって思うのですが、植えつける時に花の色も分らずただ無造作に植えてしまったため、残念ながら配色は今一で、今頃になって後悔しきりですが後の祭りなのです。

(薄紫の花も咲き始めました)

 県内でツツジの名所は何といっても大洲富士山(とみすやま)が有名ですが、わが家のツツジが咲き始めた10数年前からは富士山のツツジを見に行くこともなく、身近なわが家でツツジの花見を楽しんでいます。

 ツツジといえば昔はールデンウイーク頃の話題でしたが、最近は地球温暖化の影響かどんどん花の開花が早くなり、昨日は八幡浜市双岩のツツジ祭りの話題が新聞に載っていました。花の名所では花を目当てにやって来る観光客のために開花予想を立てて迎える準備をします。今年のような暖冬だと桜の開花が二転三転し、気象庁の発表ミスという失態もあって大変な騒ぎになったようです。それもそのはずその人たちにとっては花で一儲けの算段が外れた訳ですから怒り心頭といったところでしょう。考えてみれば大体自分の花でもない花で一儲けしようとする魂胆そのものが可笑しいのですが、そうもいっておれない事情がおありのようです。

 追伸

 昨日の雨で開花が一気に進み、夜が開け雨がやむのを待って写真を追加することにしました。

(今年も綺麗に咲きました)

(花の向こうに見えるのがわが家です)
  「花よりも 団子気にする 仲間たち 花はまだかと 誘いの電話」

  「花の陰 黙々草を 引く親父 だから咲くのと 褒めてまんざら」

  「早咲きと 遅咲きありて 面白く 同じ植えても 同じにあらず」

  「この花を 守る役割 親父だが 次のバトンは どうやら俺に」

 

 



[ この記事をシェアする ]

shin-1さんの日記

○春真っ盛りの人間牧場界隈

 昨日は久しぶりに休暇が取れました。休暇といっても別に定職についている訳ではないので休もうと思えば休めるのですが、このところ大学の授業の準備や提出書類、それにこまごました用事があって忙しかったものですからついつい人間牧場への足向きが疎かになっていました。昨日は絶好の春日和で数日前の各地で雹が降ったり雪便りがある肌をさすような寒さは遠のいて、日向だと汗ばむほどの陽気でした。人間牧場の草丈は一週間前とは違って腰近くまで延びて、早く刈って欲しいような叫びに見えました。

 自宅から持参した草刈機に混合油を満タンにしてエンジンをかけ、丸刃で刈って行くのですがまるで長く延びた頭をバリカンで刈るように面白い程綺麗に刈られて行くのです。人間牧場の畑は殆どが急峻で地下足袋に麦藁帽子のいでたちでも時々ひっくり返えったり転がったりと四苦八苦です。草刈機はもう10年も使っている年代物でエンジンの調子は最高なのですがかなり重く手や腕にずっしりときて、体力減退の私に長時間続けての作業は無理なため、油が半分くらい減る度に腰を下ろして休憩です。これがまた気持ちがよく、時には刈り取ったそこら辺の草を少し集めると立派な草ベットになります。梅の木の木陰に陣取って汗を拭い魔法瓶に入れたお茶を飲む、大の字になって空を見上げる、雲ひとつない青空は何処までも澄んでまるで大空に吸い込まれそうな雰囲気でした。

 今は山が燃えているような錯覚にとらわれます。木々の芽吹きと新緑の色が若草色で、絵に書きたいような爽やかな色なのです。そこここには早くもピンクやオレンジ色の山つつじの姿もちらほらと見え始めました。近くでは卵を温めているのでしょうかキジが「ケンケンケーン」と甲高い声を張り上げて鳴いています。遠く近くの山々からはやはり私と同じように草を刈っているのでしょう、草刈機の音がまるでこだまのように山や谷を越えて聞こえて、長閑な農村の風情を醸していました。

 昼は昼でまた楽しみがあります。妻の作った弁当を広げてたった一人で食べるのです。今日はおにぎりが3個、おかずは玉子焼きと筍の煮物が主なもので佃煮や漬物、それに果物が添えられています。愛妻弁当と呼ぶべきでしょうが、弁当箱の上に「疲れるので草刈は3時まで、気をつけて」と走り書きのメモが入っていました。嬉し恥かし妻の気配りです。私は夢中になると時間を忘れて作業に没頭し、日が暮れるのも忘れる間抜けな男であることを長年の連れ添い経験から分っているための警告文なのでしょう。

 夕方4時過ぎになって息子が人間牧場へやって来ました。「携帯電話をかけても応答がない」と渋い顔です。我に帰ってポケットの中に入れた携帯を見るとマナーモードのままで着信文字が表示されていました。息子は建設中の倉庫兼作業小屋の進捗状況を確かめに来たようでしたが、建築の仕事をしている人間らしく「こことここを大工さんに直してもらおう」と私に説明するのです。小屋はもう殆ど出来上がっていました。押し戸は割った板がお洒落に貼り付けてあり、小屋には勿体ないような雰囲気です。最初はこの小屋は大洲の亀本さんから貰った耕運機を格納するためでしたが、出来栄えがよいのでこの中を遊びの空間にしようと思っています。耕運機は右の方におだれを作りたいと思い親父に相談したら既にそのプロジェクトも進んで、地元の土建屋さんにコンクリートを流してもらって基礎を作るよう依頼もしています。来週には出来上がる予定です。次々と進む人間牧場の姿に肝心の活動が追いつかないのですが、まあぼちぼち急がずやりましょう。

  「春盛り 絵になるような 山の色 燃え立ちいずる 香りを添えて」

  「三度目の 春を迎えし 牧場に 今年も生えし 山蕗摘みぬ」

  「また一つ 建物増えて 物語る 自慢貰いし 赤い耕運機」

  「卵抱きし キジの鳴き声 こだましつ 春は長閑に 牧場満ちて」 


 

[ この記事をシェアする ]