○眠れぬ一夜
昨夜から今日の朝にかけてわが家ではひと騒動あって、家族全員が眠れぬ一夜を過ごしました。というのもわが家に来ている孫朋樹に39度近くの熱が急に出て右往左往したのです。そもそもの発端は昨晩眠る頃孫が「お腹が痛い」と言い出したのです。食べる物が気に入らないと「お腹が痛い」というよくある仮病だと思い、そのまま寝かせたのですが、未明になって深い眠りについたはずの孫が今度は頭と腹が痛いと火の出るような声で泣き喚くのです。身重ながら助産婦の娘と日曜日で家にいた看護士ホヤホヤ次男がことに当たりましたが、一向に泣き止まないのです。体温計で測ってみる38度5分の高い熱です。こんな時は松山の急患センターとばかりに私が運転し、妻が助手席で泣き叫ぶ孫を抱きかかえて萱町のセンターまで車を飛ばしました。3時過ぎのことゆえ車もまばらで30分余りで到着、予め電話していた娘婿も自宅から保険証を持って病院に来ていました。受付を済ませて係りのお医者さんに診てもらいました。浣腸して便を出し幾分楽になったようでしたが、深夜早朝のことゆえ検査もできず、熱さましをのませて結局は原因不明のまま一旦帰宅し、夜が明けるのを待って再び松山の市民病院が急患当番医院ということで再びの病院です。私は旧小田町での仕事があって行くことができないので看護士の次男が運転して出かけました。
小田町へ出かけましたが、そのことが気になって昼過ぎ途中でわが家に電話をかけましたが、病気のおさまることもなく不安な妻の声が携帯の向こうから聞こえていました。山間の町小田町への往復と仕事を終えて急ぎ帰りましたが、下剤の影響か度々トイレへ行かなければならず、妻も娘も次男まで疲労困憊といったところでした。それでもお腹が減ったのかリンゴをかじったり脱水防止のポカリを飲んだり、熱冷ましを飲ませたり、わが家の王子さまは至れり尽くせりでした。私たち大人ならお腹の何処がどんな具合に痛むのか具体的に言えて処方ができるのですが、腹が痛い、頭が痛い、それも泣きじゃくっていうものですから、大人たちも寝不足がたたりすっかりお疲れモードのようでした。
この孫はいたって元気で、これまでこんなに病気で泣きじゃくることはなかっただけにとても心配な二日目の夜を迎えています。医療に携わる2人がいてもこの手合いですから、孫と同じように泣き叫ぶ子どもを抱え不安そうに病院へひっきりなしにやって来る親の気持ちはいかばかりかと、内心同情してしまいました。
四人いたわが家の子どももいつの間にか大きくなり、あったであろうこんなハプニングも妻にまかせきりで乗り切った子育てを思うと、少々胸が痛み娘にさえも同情してしまいました。子どもはそんな試練を乗り越えて大きくなりましたが、今晩も続くであろう眠れない夜を反省の思いを込めて見守ってやりたいと思います。
そう思う矢先、仕事を終えた娘婿が夜遅く帰って来ました。勤務する大学も新学期が始まりその準備で忙しいのでしょう。土日もない働きぶりのようです。昨日まで娘と孫と同じ部屋に布団を敷いて寝ていた私たちは2階に上がり、娘婿と孫は身ごもっている出産間近いお腹のベビーとともに4本川の字になって寝たようです。多分今夜はまたこの家族にとっても眠れない一夜を過ごすことでしょう。
「健康が 何より大事と 病気して 思う未明の 右往左往」
「あれこれと 思うけれども もどかしく 孫の痛さの 中身分らず」
「家中が 孫の病気で 大騒動 早い回復 祈りリンゴを」
「扁桃腺 病気の元は ここからと 言われて少し 安堵の胸を」