○逆手塾ルポ⑤
逆手塾の名物に「徳野貞雄の過激なまとめ」というのがあります。私と宮崎さんと和田さんがステップアップのその度にショートコメントで会議を仕切ってゆくのですが、徳野先生の話は歯に衣を着せない過激な発言だけにヒヤッとしたり納得したりするのです。徳野貞雄という男、この人は熊本大学の教授でありながら、大学の先生とは似ても似つかぬ風貌と身なりをしているのです。この先生よっぽど暇なのか?、前日から愛媛に入り前日には地域政策研究センターの兵頭さんを了解もなく勝手にアッシー君として使って、人間牧場の下見や宇和島までのツアーを実行しているのです。
何年か前彼を双海町のシンポジウムに呼んだ時、若い職員に先生を迎えに松山観光港まで行ってもらいました。ところが彼から「大学の先生とおぼしき方はこの船には乗っていません」と電話が架かってきたのです」。私は「顎に髭が生えてる。ズボンが落ちそうなくらい腹が出てる。まるで狸」と言った途端、「あっいました」でした。この日もよれよれのズボンのすそをまくり、足は素足、どう見てもそこら辺のおっちゃんが田植えでもしそうな雰囲気でお世辞にも大学の先生とは思えないのです。その上食うわ飲むわで豪快そのものなのです。
しかし机を前にすると何故か君子豹変、立派な話をするのです。彼の凄さはその過激な発言なのです。相手が誰だろうと「馬鹿」だの「アホ」だの平気で人をコケ下ろしてしまうのです。喋りだしたら止まらず、時間の観念がないところもまあ彼の魅力と言えばそうも取れます。しかし主催者としては大変困る先生なのでありまして、この日も10分間も超過してしまいました。でも憎めぬ風貌と仕草が人をひきつけるのでしょう。
この日私は、インスピレーションで落語の高座を思いつきました。見ると水平線の家の隅にあの150年の年輪を刻んだテーブルがあるのです。失礼かとは思いましたが、その上に座布団を一枚置き、気になるカバンを持って座ると、なんとこれが高座にはや代わりしたのです。話してみましたが座り心地もよくこれはいけるととっさに思いました。
残念ながらその写真は自分で取れなかったので、人の写真に収まっていると思うのですが、密かに人間牧場高座落語100話を考えました。早速ネタ仕込をして百話本を完成させたいと思っています。そうすれば150年の年輪に私の百話が加わって250年の年輪になるという物語です。
和田さんは言葉遊びの達人です。駄洒落も私ほどではありませんが、とにかく変換ミスと思える程の造語が次から次へ造られています。そしてそれをハガキや板に書いては商売するのです。味のある特徴ある絵や字はもう芸術としか言いようがありません。目立ちたがりやで私とよく似た経歴を持っているのも気が合う原因かも知れません。最後が教育長と言うのも同じです。「私の恋文」のタイトルで送られてくる連載文は凄いことが書かれています。でも私のブログの方が送料もいらず現代的だと密かに思っているのです。
「教授だと 言うのに何だ その姿 人間くさくて いいねいいよね」
「腹が立つ 程に過激な 議論する 飽きもしないか 今年も激論」
「高座にて 話す感触 こりゃいいわ 閃き実行 今日から始む」
「話芸なる 口を磨いて 真打に もっと稽古を せずばなるまい」