shin-1さんの日記

○逆手塾ルポ⑥

 人間牧場はまだ完成ではなく発展途上です。故に完成までにはまだまだやらねばならないことがいっぱいあるのです。でもその完成は何時になるか分らないので「走りながら考え行動する」ことにしました。逆手塾の誘致も人間牧場の水平線の家が着工した昨年の7月に決意したのですから、かなりの勇気が必要でした。しかしその決意が五右衛門風呂やツリーハウスの完成を早め、どうにか逆手塾までに間に合ったのです。特にツリーハウスは前日に完成という突貫工事でした。多分参加者には不便を感じさせたことと思いますがご容赦ください。

 逆手塾の開催に当たって新聞2社からの問い合わせがあり取材に伺いたいと申し入れがありました。行政に身を置く時代なら大歓迎だったのですが、そんな器用なことをしなくてもいいと思い、1社を丁寧に断りましたが、OKを出した後の1社は結局道を間違えたのか着ませんでした。新聞や放送以外に情報発信の手段がなかった時代なら約束違反と喧嘩をするところでしょうが、ブログや雑誌からの取材もありそうなので、あっさり引き下がりました。私も丸くなったものです。

 今回の逆手塾の成功は広島から乗り込んだ逆手塾の巧みな塾の運営やスピーカーを務めた川村一成さんの魅力もさることながら下支えしてくれた多くの方々のお陰だと思うのです。特に宿舎を提供してくれた地元池久保の区長さん、参加者の運送を引き受け、3食を作って提供してくれた21世紀えひめニューフロンティアグループの皆さん、それに風呂焚きや会場説明に奔走してくれた息子兄弟と刺身を作ってくれた妻など多くの人たちが関わってくれました。馬路村からは馬路村農協の東谷組合長の肝いりでごっくん馬路村が沢山届きました。楽しみにしていた木下君の参加が仕事の都合で叶わなかったのは返す返すも残念でなりません。ブログを借りて関係者の皆さんに厚くお礼申し上げます。

 和田さんや宮崎さんご夫妻、田中さんにはことの他お世話になりました。田中さんの燻製術は息子が興味を示していて、燻製釜を作りたいと提案があるようです。これからは金もかけれないので知恵と汗で作りたいものです。

 逆手塾でちょっとしたハプニングがありました。明日の朝までに香川に帰りたいと出発した山本文子さんが深夜道に迷い、こともあろうか私の登山道に迷い込み、車を故障させてしまいました。携帯電話で深夜の救出作戦及び故障車の輸送作戦、松山駅への送り作戦などドタバタしましたが、山本文子さんにとっては長い長い一日となりました。山本さんや手伝った大野さんと佐々木さんご苦労様でした。

 参加した皆さんはそれぞれの思いを胸にそれぞれの土地に帰って行きました。また会う日までさようなら。

  「何事も なかったように 静まって 残ったビール 冷蔵されて」

  「よかったと ハガキしたため 届き来る 顔を思って 返信文書く」

  「トイレ紙 使ったほどだけ 芯残る みんな行くとこ 綺麗に掃除を」

  「梅雨なのに 雨の降らない 奇跡呼ぶ これも実力 神のお陰か」

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shin-1さんの日記

○逆手塾ルポ⑤

 逆手塾の名物に「徳野貞雄の過激なまとめ」というのがあります。私と宮崎さんと和田さんがステップアップのその度にショートコメントで会議を仕切ってゆくのですが、徳野先生の話は歯に衣を着せない過激な発言だけにヒヤッとしたり納得したりするのです。徳野貞雄という男、この人は熊本大学の教授でありながら、大学の先生とは似ても似つかぬ風貌と身なりをしているのです。この先生よっぽど暇なのか?、前日から愛媛に入り前日には地域政策研究センターの兵頭さんを了解もなく勝手にアッシー君として使って、人間牧場の下見や宇和島までのツアーを実行しているのです。

 何年か前彼を双海町のシンポジウムに呼んだ時、若い職員に先生を迎えに松山観光港まで行ってもらいました。ところが彼から「大学の先生とおぼしき方はこの船には乗っていません」と電話が架かってきたのです」。私は「顎に髭が生えてる。ズボンが落ちそうなくらい腹が出てる。まるで狸」と言った途端、「あっいました」でした。この日もよれよれのズボンのすそをまくり、足は素足、どう見てもそこら辺のおっちゃんが田植えでもしそうな雰囲気でお世辞にも大学の先生とは思えないのです。その上食うわ飲むわで豪快そのものなのです。

 しかし机を前にすると何故か君子豹変、立派な話をするのです。彼の凄さはその過激な発言なのです。相手が誰だろうと「馬鹿」だの「アホ」だの平気で人をコケ下ろしてしまうのです。喋りだしたら止まらず、時間の観念がないところもまあ彼の魅力と言えばそうも取れます。しかし主催者としては大変困る先生なのでありまして、この日も10分間も超過してしまいました。でも憎めぬ風貌と仕草が人をひきつけるのでしょう。

 この日私は、インスピレーションで落語の高座を思いつきました。見ると水平線の家の隅にあの150年の年輪を刻んだテーブルがあるのです。失礼かとは思いましたが、その上に座布団を一枚置き、気になるカバンを持って座ると、なんとこれが高座にはや代わりしたのです。話してみましたが座り心地もよくこれはいけるととっさに思いました。

 残念ながらその写真は自分で取れなかったので、人の写真に収まっていると思うのですが、密かに人間牧場高座落語100話を考えました。早速ネタ仕込をして百話本を完成させたいと思っています。そうすれば150年の年輪に私の百話が加わって250年の年輪になるという物語です。

 和田さんは言葉遊びの達人です。駄洒落も私ほどではありませんが、とにかく変換ミスと思える程の造語が次から次へ造られています。そしてそれをハガキや板に書いては商売するのです。味のある特徴ある絵や字はもう芸術としか言いようがありません。目立ちたがりやで私とよく似た経歴を持っているのも気が合う原因かも知れません。最後が教育長と言うのも同じです。「私の恋文」のタイトルで送られてくる連載文は凄いことが書かれています。でも私のブログの方が送料もいらず現代的だと密かに思っているのです。

  「教授だと 言うのに何だ その姿  人間くさくて いいねいいよね」

  「腹が立つ 程に過激な 議論する 飽きもしないか 今年も激論」

  「高座にて 話す感触 こりゃいいわ 閃き実行 今日から始む」

  「話芸なる 口を磨いて 真打に もっと稽古を せずばなるまい」

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shin-1さんの日記

○逆手塾ルポ④

 水平線の家には大小の灯りがついています。海側に面した全面ガラス張りの構造のため、普段は採光がすこぶるよく少々曇っていても電気をつける必要はまったくありません。今回の逆手塾の開催は電灯をどれだけ点けたらどれだけ明るかのいわば実験でもありました。夕闇迫る頃になると明かりが欲しくなり点灯したのですが水平線の家の内部もウッドデッキの屋外も門灯も申し分なく、闇夜に水平線の家が幻想的に浮かび上がりました。日曜日に操業のため出漁した漁師さんの話によると、普通は暗闇部分のこの場所に突如として光々と明る人間牧場あたりは、凄く目立つのだそうです。

 しかしこの明るさには問題点が一つあるのです。「飛んで火にい入る夏の虫」そのままに、たくさんの虫を呼び寄せてしまうのです。設計士の息子もそのことは設計段階で計算に入れていたらしく、2階ロフトの窓は全て内側網戸で虫の侵入を予防しているのです。問題は3間半の海側窓からの侵入です。それを阻止するための大蚊帳製作プロジェクトがわが家の家族でスタートして、既に製作は終わっているのですが、実験的に設置しただけで、まだその設置に要する時間や大蚊帳の効果は未知数のままなのです。

 夕闇迫る頃参加者に内緒で押入れにしまっていた大蚊帳を取り出し設置する事になりました。みんな右往左往しましたし、蚊帳のすそ終いのために木の棒を打ちつける作業が加わるハプニングがありましたが、何とか設置が完了したのです。

 少し写真が暗いようですがこのような雰囲気で見事大蚊帳プロジェクトの成果はありました。雨もなく風もない穏やかな天気に助けられ、明くる日の朝までこの大蚊帳は見事に虫をシャットアウトする事に成功したのです。外から見ると暗闇に浮かぶ大蚊帳の風景は幻想的で、まるで源氏物語の世界のようでもありました。

 夕方から始まった交流会は室内とウッドデッキが一体化しまさに圧巻でした。せっかく遠い所から来るのだからと、妻の発案でかんぱちの刺身と漁協女性部のじゃこ天を加え、飲むほどに酔うほどに大満足でした。夕日に変わって顔を出した満月の月もこれまた味わい深い自然の演出です。12時には月の明かりで宿舎となる池久保公民館まで移動しましたが、門田真一さんや地域政策研究センターの心ある人たちは飲み足らず、延々2時過ぎまで酒を肴に交流を深めました。

 長い一日が終わり10人ほどが雑魚寝雰囲気で人生について語り合いました。家族のこと、人生のこと、仕事のことなど人それぞれが人それぞれの悩みや夢を語り合いました。人生の達人ではないけれどその都度コメントを求められアドバイスするのですが、悩みを解決したくてやって来た「あべまりあ」さんとは特に深く話し込みました。片道切符の旅を思いついたのもそんな思いからだったのでしょう。明くる日彼女夫妻は吹っ切れたのか元気に人間牧場を後にしましたが、別れ際涙を浮かべて宮崎さんの奥さんと抱き合って別れた姿がとても印象的でした。

 この日発売されたという彼女の本はみんなの協力で沢山売れました。文章も彼女の絵も素晴らしく、息子は五右衛門風呂のポスター製作を彼女に依頼していたようです。

 逆手塾最大の効果は、人と交わる、人に感化される、夢を見つける、やる気を起す、実践する、効果を上げる、人に感化することです。その道具立てが人間牧場のフィールドであったり水平線の家なのです。

  「蚊帳の中 入った俺たち 何か変 虫かごの中 人が入って」

  「平凡な 暮らしの中に 平和あり 悩み聞きつつ 俺は幸せ」

  「涙出る 感じて動く 嬉しさに 見えなくなるまで 手振り見送る」

  「大蚊帳は まるで源氏 絵巻だね 誰かが言った そう言われれば」

 

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