○未公開施設の公開
人間牧場第三期工事のツリーハウスについては、工事の推移をその都度紹介していましたが、足場も退いて防腐剤ペンキで化粧したツリーハウスの内部は紹介していなかったので、幾つかを紹介しておきます。
①生きた床柱
ツリーハウスの由縁は木の上に家を建てる方法と木を室内に取り込む方法がありますが、人間牧場では木の立場に立って重い荷物の家を背負わさない後者の工法を選びました。生きたままの杉の木を室内に取り込んだので、まるで生きた木の床柱のようです。したがって畳三畳分の狭い室内の主要部分をこの木が独占しているような錯覚を覚えますが、生きた木に向かい合い木と語るまるで禅の修業場所のような感じがします。このツリーハウスのスポンサーは私が代表を務める21世紀えひめニューフロンティアグループと長年物心両面で私たちのグループを支援していただいている関奉仕財団です。
最初この杉の木は7本の株立ちでしたが、屋根の始末や棟木の角度を確保するため工事の段階で比較的小さい3本の幹がご覧のようにあえなく伐採しました。残念ですがそれを含めた7つの教えとして付加し、大切にしたいと思います。
②四つの扉
入り口に半間の引き戸、西・北・東に小さい窓が造られています。いずれも外壁の杉板鎧張りと同じで、外から見ると窓の存在には気付かないよう工夫されています。窓は押し上げ式で木のつっかえ棒を差し込んで開けます。
これは西側の窓ですが、巻き込み式の手作り網戸兼ブラインドが棟梁手作りで設置されているのです。中々お洒落な雰囲気です。4方の窓を開けるとかなり採光が差し込んで明るい部屋です。この部屋にはあえて電気は引きこみません。むしろランプのような時代遅れな人間の文明で使うつもりです。
③3本の根上がり杉
①で紹介した株立ち杉の木には根元から不思議な枝がまるでタコのあしのように3本出ています。何かの拍子で芽が出て枝になりそのまま放置されて育ったのでしょうが何とも奇妙な光景です。
この杉の枝は生きた床柱とともにこのツr-ハウスの名物になりそうです。水平線の家といい、五右衛門風呂といい急峻な地形を活かしたため下から見るとまるで2階建てのような雰囲気で、味のある施設に仕上がりました。
周りにはハゼの木が沢山自生しています。そのハゼの木もカズラに巻かれて息絶え絶えと言ったところなので丁寧にカズラを切ってやりたいと思っています。海岸線は標高が低く暖地なので秋の紅葉は期待できないのですが、ハゼは何故か見事に紅葉します。秋を演出する工夫を凝らしたいものです。
このツリーハウスにはまだ名前が付いていません。みんなの意見を聞くと人もめしそうなので、私の考えている名前に落ち着きそうです。行く行くは下の往還道路に小さな吊り橋でもかけるとアドベンチャーを楽しめるかもしれません。いずれにしてもいいツリーハウスが出来ました。日浅棟梁さんや協力してくれた様々な人にありがとうといいます。
「七本の 枝が残った ツリーハウス 僅か三畳 杉と語りぬ」
「四方窓 開けて周りを 見渡せば 緑と青が 程よいほどに」
「踏みつけて 出来た畑の 細い道 ぬかるみ足を とられ懐かし」
「家の下 まるでタコ足 枝が出て みんな関心 覗き込むよに」