shin-1さんの日記

投稿者: | 2007年4月8日

○農業のあり方

世の中が随分変わってきました。最近では建築業者が農地を取得して農業を始めてみたり、接木苗だけで年商う10億円の農業産業が県内に誕生したり、またバイオで沢山の格安ランを栽培したりと、農業を巡る話題は中山間地の農業疲弊とは裏腹にかなり格差が出始めてきました。3K産業といわれる農業ですが、やり方によってはかなり可能性があるという証明のような気もするのです。

 私たち人間はいつの間にか既成概念で物事を考え過ぎるようになっていると深く反省をするのです。例えば有機栽培と称する農業です。これまでの農薬や化学肥料に頼る農業は健康に悪いという考え方から自然に淘汰されつつありますが、じゃあ自然循環型と称する有機栽培は安全かといわれたら必ずしもそうでないのです。ある雑誌で静岡県浜松市の永田農業研究所を紹介する記事を読みました。リード文には「一般の農法で作った野菜や果物よりはるかに美味しく栄養たっぷりのものを作る永田農法。環境破壊を最小限にとどめ日本の農業再生の可能性をはらむ農法を開発」と興味をそそるように書かれていました。

 静岡県浜松市の農場に行くと、そこにはかぐわしい空気がいっぱい漂っています。肥料が沢山入れられた農地とは違うし勿論農薬を散布したあとのぬ地とも違う草や木の香り、ふりそそぐ光でその空気を感じると梅を思いきり開いて深呼吸をしてみたくなるそです。「有機農法の農場へ行ってもこんな匂いはしない。有機農法では牛や鶏などの糞を堆肥に使っているのでどうしても匂いがする。うちの農法は液肥を使うからそんな臭いはしない。だから深呼吸したくなる」という。

 「有機農法なら安全」という概念は永田さんの話で見事に覆される。「植物は微生物が有機物を無機物に分解してから吸収する。有機だろうが無機だろうが肥料はいずれ無機物にされる。それを知らないからやたらと有機農法を有難がる。それでは有機肥料のもとになる動物の糞は安全といえるか。何を食べているのか分らないのだから安全とは言い切れない。ただし安全で健康的に育てられた動物の糞から作った肥料は別だが、最近までBSEで問題となった肉骨粉を食べた糞や病気を防ぐために抗生物質を投与された糞も有機なのだ」。ここまでくると有機農法というラベルをありがたいと思っていたことが非科学的に思えてくるのです。

 農家は早く育てたい、良く育てたいと思うから沢山の肥料をやる、そうすると土地が肥え過ぎて土壌や水を汚染し、富栄養化して環境を汚染する」のだそうです。

 「平地で育ったみかんより険しい岩山で育ったみかんが美味しい。それは何故かと考えることから試行錯誤が始まった。みかんを甘やかさずに厳しい環境で育てれば美味しくなる。その頃九州大学の福島栄二教授に会い、開発されたばかりの窒素、リン酸、カリウムの3つからなる液体肥料を厳しい環境で育ったみかんに最低限やる、そうしてみたらそれまでの3倍のスピードで甘いみかんができた」そうです。そこで永田さんは考えました。「今の農業はせっせと土を耕して肥やし、農作物を育てようとしている。本来は厳しい環境の中でこそ生物は生命力を発揮するはずだ。例えばトマトはもともとアンデスが原産、乾燥した厳しい土地で生まれたトマトが、日本では甘やかされて育っている。それなのに味は水っぽい。なるべく原産地に近い環境で育ててみてはどうだろうか」。そこから発展していったのが現在の永田農法なのです。

 永田農法では農作物をできるだけ原生地に近い環境の土地に植え付け、ぎりぎりまで水や肥料を与えずに育てる。枯れる寸前に水をやり、最低限の液肥をやるとどうなるか。水分を求めて細かい根をいっぱい伸ばしてゆく。少ない肥料を最大限に取り込んで早く成長するし、しかも糖度が高くとても美味しい野菜や果物ができるのだそうです。

 この話は従来の農法とは逆のこと、つまり先入観にとらわれず、現実をよく見て科学的に分析したことで可能になったのです。

 いやあ驚きました。こんな農法もあるという、しかも美味しい健康的な野菜や果物が現実にできているという事実に驚くのです。と同時にこの土地が素晴らしい環境ではなく掘り返された土には大きな石がゴロゴロして、肥沃な土地とは違い痩せた土地名のですから二重の驚きです。

 人間は長い歴史の中で土に触れ生きてきましたが、農業従事者以外は殆ど土に触れず昼も夜もない環境に生きるようになりました。また自然をコントロールして冬にスイカを作り夏にみかんを作るのです。植物の生命力を胎内に取り込んで生きる人間ですから、いい食べ物をたべなければいい体にならないのは当たり前です。今一度永田農法から何かを学びたいものです。

  「有機なら 安全安心 そう思う 何を根拠に 言うのでしょうか」

  「この体 命の基を 補給する もっと考え いいもの食べよう」

  「なるほどと 思う節あり 近頃の トマト臭いも せずに水味」

  「又一つ 暮しの知恵が 見え隠れ まずは実行 今年のとまと」


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