shin-1さんの日記

投稿者: | 2007年4月2日

○上に目を向けている上司

「ねえ若松さん、どう思いますか」唐突な電話をかけてきたのはある街の市役所の知人でした。彼が言うのには今日は新しい年度の始まりの日で、昨日が日曜日だったため月曜日の今日の朝、全員で朝礼をしたそうです。新しく支所長になってやって来た支所の責任者は、朝礼で開口一番こう話したそうです。「今日から支所長になった○○です。私の考えは市長の考えであり中央のやり方に合わせて仕事をして下さい」と短いながら決意を述べたそうです」。この支所長は定年間近でもう一年だそうですが、これまでどちらかというと上司や部下との人間関係が上手くいかなかった方だと伺っていました。

 電話をかけてきた友人が指摘するのは支所長の言葉の意味です。本庁から帰った人は得てしてこんな物言いをするのかもしれませんがまず「市長という威厳で部下をひれ伏そうとする態度です。確かにその街の代表は市長であり、市長の言うことは絶対です。しかし支所長と市長が同じはずはありません。ましてや中央の考えに合わせるという中央集権的な発言は、これまた出先にとって何とも割り切れぬ発言なのです。この支所長はこれまで上に対して批判を繰り返していたのに、たった一年の中央暮らしでここまで洗脳されるのかと見まがう程の変身ぶりに周りが驚いたのは無理からぬことだと思うのです。

 もし私がこの支所長だったらどういうあいさつをするだろうと考えてみました。今回支所長になった若松です。私は支所という仕事は中央の末端出先ではなく最前線だと思います。住民に最も近い最前線にいい職員がいると痛みも苦しみも悩みも分っていい行政ができるのです。支所はそんな意味で合併後の最も重要なテーマである参画と共同のできる場所かもしれません。中央には中央のやり方がありますが、支所には支所の地域個性があります。この個性個性を磨くことも大切な支所の仕事です。お互い市民のためにいい仕事をしましょう」くらいな気の利いた話はするでしょう。この一言を聞いたなら私へ電話した知人はもっと違った反応を示していたに違いありません。短いあいさつながら失望と信頼は大きな違いであることを一言一言肝に銘じて話さなければいい上司とはいえません。

 私にとって今日は二つの特別な日となりました。ひとつは空調業界の雄といわれるダイキンエアテクノ四国株式会社の入社式の記念講演に招かれました。新入社員は6名でしたが、多数の幹部も出席して「新しい発想で生きる」と題した私の話を熱心に聞いていただきました。若さ溢れる皆さん方を前に人間としてどう生きるかという話でしたが、中には熱心にメモを取る社員もいて嬉しい限りでした。

 もう一つは期を同じくして日赤に看護士として入社した次男の入社式でもありました。さすがに息子の入社式には同席できませんでしたが、夕方わが家へ帰った次男は興奮した面持ちで入社式の模様を話してくれました。そして「今日は感動した。いい職場に入ったので頑張る」と言ってくれました。

 新しい年度が始まり、また社会がまるでエンドレステープのように回り始めました。上司とはいかなる責任を負うものなのか、部下はどんな上司と巡り会うのか、小さな職場の歯車に翻弄されながらそれぞれの人生が始まったようです。上司はある部分で部下を選べないし部下もまた絶対的に上司を選べないのですから、数奇な運命の出会いを大切にいい仕事をして欲しいものです。あくまでもこの仕事は人の幸せ実現のためにやるということを忘れないで欲しいと思います。究極の幸せは人のためにできる幸せです。

  「一言の あいさつ失望 電話する 知人の言うのが 当たり前だよ」

  「選べない 上司の下へ 配属し 貧乏くじ引く 宝くじかも」

  「ああ俺も 昔はこんなに 若かった 何より勝る 若いということ」

  「威厳とは 自分が作る ものでなし 市長と同じ 言ったところで」


[ この記事をシェアする ]