人間牧場

〇オノマトペ

 私は昭和19年生まれの古い人間です。ゆえに学校で習わなかったパソコンが大の苦手なアナログ人間です。流れの早い現代の情報化社会は余にも窮屈で、若い人たちが喋ってる言葉さえ理解できず、分ったような顔をして聞いてはいますが、もし「あなたはこの言葉を知っていますか?」と当てられたら、答えられない劣等生なのです。イノシシや鹿の肉をジビエと言われた時も、「ジビエって何?」と思いましたし、「オノマトペ」という言葉にいたっては「〇▲□×÷+-・・・・????」でした。

 詳しいことは分りませんが「オノマトペ」はフランス語のようで、最近はオノマトペ辞典なるものまで発刊されていて、知らなかった私は「いよいよ終末人間かも」と多少落胆しましたが、覚えにくい言葉ながら意味が分れば何のことはないのです。宮崎県の東国原元知事が宮崎産のメロンに「メロメロメロン」と名前をつけて、これが関サバ効果を産みました。このように同義語を並べると、その言葉だけでイメージが湧く商品名は沢山あります。「もちもち」「ぷるぷる」「ポタポタ」「バリバリ」など、スーパーの陳列棚を見れば、そんな名前のついた商品がゴロゴロあることに気付くのです。

 勿論「オノマトペ」は商品名に限らず、医療の現場でもこれまで何げなく使われていたようで、「傷口がズキズキする」「頭がジンジンする」と説明すれば医師と患者の間で病気を共有できるし、レストランも「野菜ゴロゴロ」とメニューに名前をつけただけで注文が3割アップしたと言うのですから驚きです。国会答弁を聞いていると「ガンガン」とか「ズルズル」なども良く使われていて、最近は「オノマトペ」にあやかって、会社の名前まで「サンサン商会」などと使われ、今や「オノマトペ」は止まるところを知らないようです。

 ただし要注意は、これらの言葉の殆どが登録商標化されていて、使うと法律違反になるため、「プルプル・モチモチ」などと組み合わせてすり抜けているようです。私たちは日々の暮らしの中で知らず知らずのうちに、色々な言葉を使っています。特に響きのいい言葉が書かれている商品を見つけると、その言葉から連想してついつい手を出して買ってしまうのです。それが「オノマトペ商法」の狙いであることをしっかりわきまえ、賢い消費者にならなければなりませんが、特産品開発に関わる人間はそれらを先取りするくらいの知恵が必要です。

  「オノマトペ 聞き慣れないが そういえば 商品名に 沢山ついてる」

  「お医者さん 政治家さえも オノマトペ 訳も分らず 使っています」

  「イメージで 商品求め 大失敗 しないようにと 裏の裏見る」

  「フワフワと じゃこ天名に つけたなら 3割アップ できるだろうか?」  

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