shin-1さんの日記

〇私のディナーショー?と勘違いしてしまいました

 昨日は愛媛新聞社事業部主催の食談会に招かれました。食談会に招かれたのはこれが2回目なので、前回のような緊張感もなくリラックスした気持で卓話に臨みました。食談会は午前11時30分から私のようなゲストスピーカーが30分卓話を行い、その後1時間30分程度食事をしながら楽しいおしゃべりをする社交場なのです。昨日の会場は愛媛調理師専門学校の6階にある「にこら」というお洒落なレストランでした。会場に入ると失礼ながら殆どが中年の女性で、男性は2~3名程度でしたが、やはりここへ来るような中年の女性は身だしなみもよくすっかり落ち着いた雰囲気でした。

若松進一ブログ (メインテーブルには卓話をした私の講師席が用意されていました)

 私の話は「美味しい話」というタイトルでした。まあ美味しい食事に付け足し程度の、刺身の皿にに乗ったつまもののような料理や参加者の引き立て役ですから、そんなに気張ることもなく思いつくまま話をさせてもらいました。

会場には6つの円卓が並べられ、各席10人ほどが着席していましたが、お世辞にも私のファンだという人もいて、顔見知りも何人かいました。中には20年前に私の話を聞いてハガキを交換したオールドファンもいて驚きました。

私の卓話が終わるといよいよ食談です。この日の料理は「愛あんるクチーナ」というタイトルで、クチーナはイタリア語で「料理」を意味する言葉だそうです。次々に運ばれてくるイタリア料理どれも吟味された愛媛の食材が使われ、見た目も味も最高でした。

若松進一ブログ (Antipasuto〈前菜盛り合わせ〉・炙りフグと根菜のサラダ仕立て・合鴨胸肉のスモーク、吉田のみかん添え・ほうれん草のアンチョビのピッツア)
若松進一ブログ (Pesca〈魚料理〉・瀬戸内魚介の港町風煮込み・イカ墨リゾット添え

 この他にもCarne〈肉料理〉・奥伊予地鶏のジャンボネット、木の子のニョッキ添えなど、美食に酔い知れました。

その後一階の喫茶に降りてデザートを楽しみながら会話を楽しみました。

若松進一ブログ(私の席の皆さん)
若松進一ブログ(楽しい食事のひと時)
若松進一ブログ(楽しい会話のひと時)

 今日も沢山の人と深くて広いご縁をいただきました。また今まで食べたこともないような美味しい食事とおもてなしの心をいただきました。世の中不況だ人間不信だといっていますが、こうしたつかの間ではあっても心のゆとりを持てば、楽しい生き方ができるのです。本当の豊かさとは何かを感じさせていただいた2時間でした。


  「いい人に 今日も出会って ほのぼのと 人生楽し 食談弾む」

  「素材よく 腕もよくって サービスも 心こもって 満足でした」

  「また会おう 約束言葉 交わしつつ 三々五々の 別れ惜しんで」

  「いい話 何処で聴いてた 店長の 帰り際なる 言葉いドキリ」

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shin-1さんの日記

〇千円の時計に何と1050円の電池を入れる

若松進一ブログ

 私が常時使っている腕時計は何かの仕事で上京した際、新宿駅西口の構内に設けられた売店で買ったものです。私にとって腕時計は正確な時間を刻むことと、講演など壇上に上がって話をする時にタイムキーパー的に使って見易いという二つの条件さえそろえば、デザインなど関係ないのです。そんな理由で買い求めた腕時計の値段は何と千円でした。新品の時計、しかも東京新宿で買った時計がたったの千円ですから驚くほかないのです。以来私はこの腕時計を使って仕事をし、この腕時計とともにどれほどの旅をしたことでしょう。たった千円という値段が頭にあって、時には旅先の飲み屋に忘れたことがありました。また仲間と小旅行をした折、風呂の浴衣籠に忘れたりもしました。しかしそんな高級でもない使い捨てのような腕時計は、何故か多くの人の手を経て私のもとへ里帰りしてくれたのです。東京新宿での出会いからもう10年近くが経ちました。その間旅先で一度電池交換を行いましたが、それ以来殆ど正確に私の腕に巻かれ時を刻み続けてきたのです。

 昨日の朝のことです。予定通り出かけようと腕時計を腕にはめようとしました。すると時計の針は6時10分を差していました。「エッ、もう10時過ぎだのに」と今の電波時計を見ると10時10分を差していました。見ると秒針が止まっていました。さて「どうしよう」と思い、準備も出来ているので早めに出て時計屋で電池交換して行こうと出発しました。100円パーキングへ車を止め、三越近くにある大街道の橋本時計店へ行きました。11時というのに橋本時計店のシャッターは閉まったままでした。大街道の商店街を看板目当てに歩きましたが、あの広い商店街にはもうこの一軒しか時計屋がないことに気が付きました。小走りに急いで銀天街に行きました。急ぐ時は信号の変わるのも遅く、はてさてと思って見た看板の向こうに「時計宝石の店桜産業」の看板を見つけて、走り込みました。

 「時計の電池を交換して欲しいのですが」「はいかしこまりました。代金は1050円かかりますがいいですか」「仕方がありませんのでいいです」と少なめに会話を交わしました。店の奥に店員さんが消えている間、陳列ケースの時計を見ましたが、地元では名だたる時計店だけあって、値札の金額を見ながら私のような貧乏人には縁遠い時計だと、むしろ時計よりも値札のゼロの数を見ながら店内を一巡しました。店員も買う気もない、それでいて財布の中身も大してないだろうと予測して、勧めることもなく数分が経ちました。「お待たせしました」とキャッシュ皿に乗せられ命を吹き込まれた見覚えのある腕時計が出てきました。

 店を出た私は少し焦りました。今日のデイナー卓話会場は勝山通りにあるため急がないと時間に間に合わなくなるのです。会場横のスターパーキングに止めていた車の所まで帰り、車の中から今日の商売道具である木になるカバンを取り出し15分前に何気ない余裕のような顔をして会場入りしました。

 時計は正直で、今朝は叩いても振っても動かなかったのにしっかりと逞しそうに時を刻んでいるのです。私はその時計を頼もしく思いながら演台の上に置き安心して卓話を30分、ほぼ完璧な時間運びで行いました。

 千円ゆえに今朝はもう寿命かなと思いました。千円の時計に1050円の電池を入れないと動かないとは笑い話にもならない珍事です。でも時は金なり、まさに合計2050円の安物ながら腕時計はこれからも私の大切なスケジュール管理をしてくれることでしょう。改めて安物ながらわが腕時計に「いつもありがとう」と、ねぎらいの言葉をかけてやりました。

 

  「千円の 時計に電池 千円も 入れて再び 動き始める」

  「安物と 馬鹿にしていた 時計だが なくてはならぬ 俺にとっては」

  「街中の 時計売る店 何時の間に なくなり慌て 看板探す」

  「安くても 東京買った 一級品 さすが丈夫だ 元はとったな」

  

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