○秋を探して見ませんか
春の七草を「せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ、これぞ七草」と、子どもの頃母親から何度も教わった私は、覚えたものの全ての名前と七草が今でも一致しません。これこそ知識では分っていてもそれを見つけて食べる知恵がないことに他ならないのです。
同じように秋を代表する秋の七草も「はぎ・おばな・くず・なでしこ・おみなえし・ふじばかま・ききょう、これぞ秋の七草」と覚えていますが、秋の七草のうち、撫子や萩などは読めても女郎花をおみなえしとは子どもの知識ではどうしても読めなかったのです。それでも教えてくれた今は亡き母親のお陰で春の七草も秋の七草も全て覚えているのです。
さて暑い暑いと残暑にうんざりしていた9月もようやく終り、明日からいよいよ秋本番です。秋食べ物の美味しい季節で、青切りの極早生みかんが早くも出始め、栗や梨、ブドウといった果物と肩を並べるようになりました。近頃は耕作技術が進んだり品種改良によって一年中果物が出回るため、旬とはいつか分らなくなってきました。それでも田舎に住んでいると、近所の農家や漁家から旬の果物や魚が届き、今朝は友人から遠い北海道産の秋刀魚が氷に詰められて送られてきました。今晩は塩焼きと新鮮な刺身が楽しみです。
さてサンデー毎日の自由人になった私は風流人になろうと、むしろ食べ物よりも花より団子ならぬ団子より花を決め込んで、人間牧場周辺に秋を探して見ることにしました。皆さんはどんなものに秋を感じるでしょうか。ところが団子より花と思っても、卑しい人間なのでしょうかついつい食べ物が目に留まりました。まず柿を見つけました。
柿はまだ色つきが悪く少し温度が下がらないと黄色くならないようですが、それでも日増しに色が濃くなっていくようです。
つづいて栗です。人間牧場には大きな栗の木があり今年は豊作なのか沢山なっています。晩生系なのでしょう、まだ割れて落果す
続いてカラスウリを見つけました。木に絡まって幾つもの実をつけていますが、何個か赤く色づき始めています。
また私たちが子どもの頃小鳥を取るワナを仕掛ける餌に使ったタマクサも色づき始めたようです。こうしてちょっと探しただけでも俳句の季語になりそうなものが一杯集まります。
辺り一面に彼岸花が咲いていました。彼岸も終わり今が盛りと咲く真赤な彼岸花もやはり季節の花としては捨て難くカメラに納めました。
さあ皆さんもテレビの前に座ってチャンネル番人にならないで戸外へ秋を探しに出かけてください。
「ただ一人 人間牧場 秋探し 何?万歩計 一万超えて?」
「デジカメの ボロでも写る この技術 腕がいいのか 鼻高くして」
「昨日から 調子の悪い デジカメも 今日は機嫌が 少し直りて」
「秋写す あんた馬鹿だね そんなもの 言われそうだな 身近な人に」
でもやっぱり秋の七草をと探してみるとススキと萩が目に留まりました。あいにくの曇り空ながら秋風に揺れて綺麗でしたし、木に絡まった葛の花も赤紫で目立たず咲いていましたが、木の上なので撮影は諦めました。る気配がないようです。