shin-1さんの日記

○息子の給料日

 私には1女3男の子どもが4人います。少子化といわれて久しい現代にあって今時珍しい4人です。子どもが小さい頃は1、2、3歳と上と下の年齢が積んでいて、ひどい時は小学校に3人もいてPTAの大株主でした。ですから運動会や入学式などは仕事柄忙しい私が出れないものですから、妻はあっちへ行ったりこっちへ行ったりりと忙しかったようですが、その子どもたちもやっと全員がこの春職場の人となりました。私の生活設計ではもっと前の段階で子どもの学業を終え、それぞれの伴侶を得るようセットしていたつもりですが、こればっかりは上手く行かず、末っ子は大学を卒業後いったん四年間就職をしていましたが、最初の希望が捨て切れず警察官にチャレンジして思い通りの就職をしました。次男は高校を出て8年間も就職をしていたのに思うところあって看護士を目指して5年間も学び直し、この春目出度く就職したのです。

 一昨日は次男の始めての給料日です。近頃の給料は私の頃のような直接手渡しでなく振り込み通知書なので、給料袋がありません。ですから給料の重みは数字の大小なので多少感激は薄いものの、前職場で給料体験はあってもやはり嬉しさは隠しきれないようで、朝からウキウキしていました。就職して2週間なので前の職場だと働いた日数分しか貰えなかったようでしたが、今回は看護士という職責の重みなのか予想以上の給料を貰ったようで朝からウキウキでした。でもこの2週間は新入社員のドキドキや、ハラハラの毎日で、帰るとさすがに疲労の色が濃く、「今日は患者さんに始めて注射をした」などと、私には分らない世界の緊張を伝えていましたし、疲れても勉強があるのか夜遅くまで自室の机に向かっていました。

 「お父さん、今度の土曜日空いてるかい」と妻が唐突に私に尋ねました。「何でも次男が初任給で私たちにご馳走したいそうなのでその日は空けてください」というのです。嬉しいことなので甘んじて受けようと妻と相談している所です。この次男もそうですがわが子どもは全て初任給でご馳走してくれたり、ささやかなプレゼントをしてくれました。それは額の多さや品物の値打ちではなく、親にとっては凄く嬉しいことなのです。保育園を含めると小学校、中学校、高校、専門学校、大学など実に様々な長い学びの期間がそれぞれの子どもにありました。その度に幾つものハードルを親子で越えて来たのです。そのことを当然と思ったり、頼んで生んでくれた訳じゃないなどと居直られることもなく感謝の気持ちを持っていることは、私たち親の教育方針が間違っていなかったのですから、それはそれとして喜ばなければなりません。

 そこには長女と長男の助言が常にありました。学びの途中に頑張れと声を掛けたり、安い給料ながら正月や誕生日には小遣いを渡したり、国家試験や入社試験の合格祝いをしてやったり、「初任給を貰ったらお父さんやお母さんに何かしなさいよ」と声を掛けていました。兄弟の存在は4分の1ではなく4倍の価値があると思うのです。

 さて初任給でのご馳走は何にしようか思案中です。お寿司にでもしようかといったら「立派なお寿司屋さんにはよう連れて行かんので、回転寿司くらいにして欲しい」旨の返事が返ってきたようです。どんなものでもいいんです。初任給で親にご飯をご馳走しようという感謝の心で十分なのです。次男が就職しやっと一段落です。年金も自分で掛けるし小遣いだって渡さなくて済むのです。後は次男と三男の結婚をと、早くも次なる目標を妻は掲げ、何時まで経っても子どもであることの心配の種はなくならないようです。でもとりあえず一区切りに嬉しいご馳走です。

  「初月給 貰って親に ご馳走を すると意気込む 回転寿司か」

  「兄弟の 仲良きことが 何よりも 嬉しく思う この歳なると」

  「給料日 振込み通知の 紙一枚 時代は変り それが普通に」

  「寿司ネタが どうであろうと 嬉しさは 親に感謝の 心あること」 

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