shin-1さんの日記

○宇和島は生き残れるか

 こんな過激な表現をしたら多分宇和島市の関係者から石が飛んでくるかもしれないなんて、要らぬ心配を開会前から考えていましたが、残念ながら取り越し苦労だったようです。今日のシンポジウムは「えひめ地域づくり研究会議」が発足して20周年を迎えるに当たりその総括と新しい未来に向かって方向性を探ろうと今日を皮切りに、県下3会場でリレー的に行い、最後は発足の地となった内子座で総括シンポジウムを行おうとするものです。会場となった宇和島市福祉会館には80人もの人が集まり、それなりの盛り上がりを見せました。今日のシンポは2本立てで早稲田大学の宮口先生の「協働のまちづくり」についての講演と、宮口先生を交えた愛南町の寿川さん、それに私を含めた鼎談です。行きがかり上私が鼎談のホスト役を務めましたが、打ち合わせも殆ど行なわないアドリブな討議にもかかわらず、お二人に助けられて何とか様になりました。

 今日のシンポには市外からもかなりの人が参加していました。中には遠くは顔見知りの高知県梼原町中越町長さんや産業課長さんも出席していて中々いい顔ぶれでした。

 宮口先生の基調講演を基に話し合いましたが、観光や地域活性化にはローカルホスピタリティ(もてなしの心)が欠かせないというウエーブが意見の方向を示していました。後半は交流人口の拡大に向けての具体的な話に入りましたが、合併によって圏域が広がった今こそ平準化ではなくそれぞれの個性を生かすことが大事、つまりない物を探したり都会に迎合することなく、個性という地域資源を見つけ磨いてゆく、その作業がまちづくりであることの重要性が語られました。参加者の意見も活発で時間の延長があるほどでした。

 夕方からは宇和島駅構内にあるホテルクレメント宇和島7Fビアガーデンに会場を移し、賑やかな交流会が持たれました。シンポジウムでは参加者の中に埋没していた市役所の職員や近隣市町の関係者が沢山残っていて、ノミュニケーションが深まりました。古い顔、馴染みの顔からは「若松さん随分痩せたね」とか、「お元気そうで何より」とかの言葉を数多く頂きました。

 私と塩崎さんは酒が飲めなく例によってウーロン茶、でも2時間びっちりお付き合いをしましたが、あくる日のこともあるので、8時にはおいとまし家路へと雨の中を急ぎました。

 今日は名刺を50枚用意しましたが、結局全て売り切れて足りませんでした。1枚20円としても1,000円の投資です。でもいい人、やる気のある人に出会い、いい一日だったと振り返りながらブログにその模様をしたためた次第です。

  「宇和島を どうするそれは あなたです 街を愛する 人いりゃ必ず」

  「ある人は 宇和島海だけ 思ったが 山や渓谷 自然が豊か」

  「いいまちに いい人ありと 人が言う いい人いれば わが町みたいに」

  「五十枚 名刺配って 顔を売る そこからはじめる 地域づくりは」

  

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shin-1さんの日記

○良寛和尚に学ぶ損友と益友の見分け方

 人間の行いとしてあまり「感心しない行い」をまとめた本に良寛和尚の「戒語抄」というのがあります。童門冬二さんは「男の論語」という600円の文庫本にそのことを詳しく書いています。

 (言葉の多き・口の早き・あわただしく物いう・間の切れるように物いう・物いいの果てしなき・物いいのくどき・問わず語り・へらず口・さしで口・ことばとがめ・手がら話・自慢話・俺がこうしたこうした・人の物いいきらぬ中に物いう・わが事をしいていいきかさんとする・人の話のじゃまをする・はなであしらう・ことわりの過ぎたる・ことばのたがう・悪しきと知りながらいい通す・おのが意地をいい通す・そうでもなきことと知りながらいい通す・過ちをかざる・ひき事の多き・物いいのことごとしき・田舎者の江戸ことば・学者くさき話・風雅くさき話・さとりくさき話・茶人くさき話・たやすく約束する・人に物くれぬ先に何々やろうという・くれてのちその事を人に語る・かえらぬことをくどくどくどく・推し量りの事を真事になしていう・よく知らぬことをはばかりなくいう・たしかにも知らぬことを人におしうる・物のこうしゃくをしたがる・いささかなることをいいたてる・おかしくもなきことを笑う・子どもをたらしすかしてなぐさむ・にくき心を持ちて人をしかる)

 如何でしょうか。この言葉に当てはまる人を自分の身の回りの人に当てはめながら顔を思い出してみてください。あの人は「人の話を鼻であしらう」とか、「へらず口が多い」とか・・・・。

 人の評価の入り口は言葉によってある程度決まります。どんな物言いをすれば相手に理解してもらえたり自分のことを好感を持ってもらえるか、誰もが日々の暮らしの中で苦心していることだと思います。ところが人間の言葉はその行いや日々の暮らしの中から生まれてくるものなので、余程自分が注意をしていないと性格がもろに出て思わぬ悪評を招いてしまうのです。

 「言葉は行いの鏡」だと思います。立派な行いをしていれば言葉はその中から生まれるのです。いい言葉を喋る人はいい行いをしている人といっても決して過言ではないでしょう。

 私が12年間、シーサイド公園の海岸清掃を朝5時から8時までやるきっかけは、この良寛さんの言葉を引用した松下幸之助さんの話でした。「掃除も出来ないような人間にまちづくりを語る資格がない」の言葉を実践し始めると、自分がもう一人の自分と話し合うようになるのです。自分を磨くということは自分の体や心に潜むもう一人を発見することだったのです。上の言葉しかはかない人を損友、逆に上の言葉を語らない人を益友と考えれば、益友を沢山増やし、その言葉に学ぶことも方法かも知れません。

  「鼻持ちの ならぬ話に 気付いたら その人損友 益友探せ」

  「良寛が 見れば私は どの程度 まだまだ修行 足りぬお叱り」

  「言葉とは 行を映す 鏡なり 陰徳積んで 言葉きれいに」

  「良寛の 愛した夕日 新潟で 見てから俺の 生き方変化」

良寛さんが「人の心を汚すふるまい」として挙げた数々の言葉のふるまいは、損友と益友を見分ける大きなポイントになるようです。

 

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○親父の仕事

 昨日は梅雨の晴れ間なので88歳の親父は脚立を取り出して、庭木の剪定をしていました。高い木の上の作業は危険だからと再三言っているのですが、「わしがやらねば誰がやる」と言って聞かず、手入れは全て親父の仕事となっているのです。庭には親父が50年にわたって育てた大小様々な木々が無数に植えてあり、そべての選定作業をするのは容易なことではありません。松一本でも親父の手仕事で3日もかかる木もあるのです。「親子はよく似ている」と妻が呆れるように親父は私と同じで何でもやりだすと夢中になる癖があります。「体にこたえるからボチボチするように」と今朝も妻が注意をしていたようですが、昨日は脚立から足を滑らしたらしく、夜帰ってみると、近所の診療所の先生が往診に来たというのです。私は夜10ごろの帰宅だったので親父の隠居へ見舞いに行きました。安定剤の効果かぐっすり寝込んでいたのでそっと引き払いました。今朝6時前に隠居へ行ってみると寝床で起きていましたが、楽になったというのです。今朝は日課の腰へのシップ張りもしないというので、妻がおかゆを炊いて差し入れしたのに「内臓が悪い訳でもないのでパンを食べる」とパン2枚をペロリ平らげ、妻や私をホッとさせました。妻が「お父さん、じいちゃんは私の言うことは聞きませんから、あなたが余り無理をしないように、一日に1本の庭木手入れぐらいにするよう言ってください」と釘を刺されました。

 それにしても88歳と言いながらあのパワーは一体何処から生まれてくるのでしょう。別に肉を食うでもなく質素な食事に明け暮れ、毎日アリが仕事をするようにやっています。向こうの短さを知ってか知らずでか、何かにつけて新しいものに挑戦もしています。明日は父の日です。私にとって親父はかけがえのない父ですから、少し話をしたりしたいと思っています。

 3日前、奈良に住む私の弟から親父宛の宅配便が届きました。弟が酒を一本父の日のプレゼントとして送ってくれたのです。親父にとって5人の子どもの中でこの弟だけが県外に住んでいるので気になるらしく、よく話題にします。高校を卒業すると直ぐに京阪神の建設会社に就職し40数年が経ちました。お目出度やお悔やみにしか顔を合わさない息子の身を案じる姿は歳とともに増幅するようです。昨年には親父の88歳米寿の祝いに駆けつけ親父を喜ばせました。「今度息子が帰るのはおらの葬式の時かも」と笑って話す姿が何ともいじらしいのです」

 家族は流れる川の水の如くいつの間にか思い思いの場所に流れて行きます。気がつけばわが家だってもう間もなく妻と私と親父の3人だけになる予定です。せめて同じ屋根の下で暮らす間くらいはしっかりと支えあい、助け合って生きてゆきたいものです。

 また梅雨の雨が戻ってきました。今朝は雨が降り出しました。さっき隠居へ行ったら「今日は何処へ行くのか」と親父が尋ねました。「今日は宇和島でシンポジウムがあるので出掛けて夜は遅い」と言ったら納得顔でした。これまで親父の存在は空気みたいなものでしたが、少し親父のことが気にかかる今日この頃です。

  「庭木から 落ちた親父の 言い分は 足場が悪いと 自分責めずに」

  「庭眺め あの木の剪定 そのうちに 俺がするのか これはたまらん」

  「植えずとも 生える草あり 屋根の上 土植え野菜は 何故に育たぬ」

  「一生(いちなり)りの キュウリ食ったら 長生きが 出来ると親父 初生り食った」   

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