○自分の体内をカメラで覗く
自分の体の中を見るのは、大きく口を開けて鏡で見る程度で、また外反母趾手術をした部位の様子はレントゲン写真でしか見たことはありませんでした。手術の前手術台に寝かされた時、担当の技師さんが、「手術の様子を見ますか?」と言われました。前回の外反母趾の手術の時は全身麻酔だったので無意識のうちに手術は終わりましたが、今回は半身麻酔なので見ようと思えば見れるのです。
「私は見かけによらず小心者で見る勇気はありません」と断りました。やがて手術が始まりましたが、頭の上に設置された2台のモニターテレビに、膀胱内の様子や光ファイバーで次々と膀胱内の肥大部分が削ぎ落とされる映像が映し出され、見たくないのに見えてしまうのです。自分の目で自分の体内を映像で見たのは初めてなので、最初は衝撃的でしたが、そのうち手術をしている医師の会話も冷静に聞くことができました。
手術が終わると主治医の先生が、削ぎ落とした肉片を透明なプラスチックの容器に入れて見せてくれました。これだけの肥大部分が尿道口を塞いでいたそうで、手術は無事成功したようです。それにしても現代の医学はすごい進歩です。もし私が50年前、いやもっと近い20年前に今の年齢を迎えていたら、多分成すすべもなく死んでいたかも知れません。有り難い世の中になったことに感謝します。