人間牧場

〇正月を迎える準備(その5)
 わが若松家は祖祖父が興した家で、私が4代目の当主です。本家の長男ゆえ先祖祀りは私が親父から受け継いだ大事な仕事でもあるので、高齢になった親父が存命中から私たち夫婦で、仏事をしっかりと守っています。私の妻は八幡浜から私の元へ50年前嫁いできました。数年前実家の長男夫婦が亡くなっているので、長女である妻の実家の墓参りも、年に数回行っていますが、盆と正月、春と秋の彼岸には必ず少し早めに、人間牧場に植えているシキビを切って束ね、墓地に供えています。

 3日前シキビを8束切って来ましたが、昨日はそれら6束を持って、とりあえず妻の実家の墓地へ妻と二人で出かけました。昨日はあいにく雪のちらつく寒い一日でした。折角だからと先に妻の同級生が嫁いで住んでいる伊方町瀬戸三机まで、三崎半島頂上線を走り立ち寄りました。久しぶりの出会いゆえ「まあ上がってお茶でも」と誘われ、客間で奥山さんご夫婦と少し話し込みました。ついでだからと先日ちりめんじゃこの釜揚げを届けてくれた木嶋さん宅工場へお礼を言いに立寄りました。

 日が西に傾き始め、時折小雪の舞う道を急いで引き返し、夕暮れの中を大法寺裏の墓地へ向かい、妻は掃除と線香を用意、私はシキビ差し込みと水替えなどを慌ただしく行いました。ふと見ると八幡浜湾の諏訪崎辺りに、それは綺麗な夕日が雲を破って印象的に見えました。いつも墓参りは昼間に行っていて、夕暮れ時は初めてで、墓地から夕日を見るのも勿論初めての経験でした。実家に立寄り次男兄夫婦と雑談し、買い物のため大洲経由長浜周りで帰宅した慌ただしい師走の午後でした。今日わが家の墓地にシキビを替えとお参りに行けば、今年の仏事もこれで終わりです。

「妻実家 八幡浜ゆえ 遠いけど シキビを持って お墓掃除に」
「ついでにと 妻同級生の 家訪問 よく来た上がれ お茶飲み雑談」
「気がつけば 夕暮れ時の 墓参り 諏訪崎辺り 綺麗な夕日が」
「長男と 長女に生まれ 仏事など 親から受け継ぎ 死ぬまで続く」

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