人間牧場

◯野良生えの甘夏みかん

 すっかり冬景色となった人間牧場の入り口に、背丈の三倍以上もあるような甘夏みかんの木が、今年も黄色い果実を沢山つけました。実はこの甘夏みかんの木は植えたものではなく、こちらの方言で「おのればえ」という自然に生えた野生のものです。人間牧場を造リ始めた時、敷地内の木々は邪魔になるので、防風垣として使っていて生き延びた杉の木以外は、伐採抜根して処分したつもりでしたが、周囲に雑木が残っていたらしく、その中に紛れ混んで生き延びたようなのです。

 どういう訳か三年前から実をつけ始め、今では枝もたわわに実って農道を通る車の邪魔をし、特に軽四トラックの屋根は高いため、しょっちゅう擦り始めました。仕方なく太い被覆電線で誘引しましたが追いつかなくなり、昨日は軽四トラックの荷台に上がって、実のついたまま剪定をしました。これで何とか大丈夫なようでホッとしました。

 柑橘類はヤノネカイガラなどの病害虫に弱く、防除をしなければ枯れてしまうのですが、原種に近い甘夏みかんは病害虫に強いようで、今年も元気に沢山の実をつけています。一昨年と昨年収穫して食べたり、無農薬なのでマーマレードの原料にして味わいましたが絶品でした。ゆえに今年もみんなでマーマレード作りの、講習会でも開こうかと思っています。殺風景な冬の人間牧場に彩りを添えてくれる甘夏みかんは、心を和ませてくれています。

  「牧場の 隅に野良生え 甘夏柑 背丈三倍 今年も鈴なり」

  「実の重み 枝がしなりて 車邪魔 仕方がないので 幾つか剪定」

  「無農薬 ゆえに安全 マーマレード 原料にして したたか味わう」

  「自然とは 偉いものだ 殺風景 冬の景色に 彩り添えて」

 

今年も沢山の実をつけた甘夏みかん

 

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