人間牧場

〇タオルで鉢巻をすると元気が出ます

 私は元漁師です。宇和島水産高校漁業科を卒業して直ぐに、ガンで闘病生活をしていた親父に替わり、若吉丸の船長として7年間漁師をしました。双海町下灘の漁師は朝が早く、午前1時・2時に豊田漁港を出港して佐田岬沖の漁場へ向うのです。その頃の癖が治らず、体調を崩して役場に転職してからも、余程のことがない限り午前4時には起床します。お蔭様にて地域振興課長になった頃始めたシ-サイド公園の人工砂浜や水槽の掃除は、毎朝5時から約3時間、12年間も続けることができて、観光カリスマ百選にまでなりました。

 

鉢巻を締めた私
鉢巻を締めた私

 昔は、港に行けば頭に鉢巻をした漁師さんに何人も出会いましたが、今は鉢巻をしている人など殆どなく、ましてやタオルで頬かむりをしている人など見るべきもないのです。頬かむりはさておいて鉢巻をすると、どこか威勢がよく、「よしやろう」という気になるのも、やはり昔の癖の現れでしょうか?。先日シーサイド公園で水仙祭りのイベントに餅つきが行なわれました。私もボランテァとして参加しましたが、餅つきは昔から神聖なハレの行事だし、威勢よくやりたいと思うからでしょうか、私は無意識のうちに自宅からタオルで鉢巻を締めて軽四トラックで会場入りしました。

 この日は漁協の役員さんがテントを張って出店していましたが、私の姿を見て「進ちゃん、まるで漁師みたいじゃな!!」と言われました。漁師に「漁師みたい」と言われるのもどこか変ですが、まあこれもお愛嬌です。鉢巻をして手臼をする私の姿を見た知人友人は、「若松さん、やる気じゃな!!」とも声をかけてくれました。自分も鉢巻をするとどこか身も心も引き締まったような気分になるから不思議です。昔は田舎のおばちゃんたちは白い日本タオルで姉さん被りをして、白い割烹着を着ていました。今はもうそんな風情も遠い昔の記憶となってしまいました。私の鉢巻姿もまんざらではありません。

  「鉢巻を 無意識のうち して出かけ まるで漁師と 漁師に言われ」

  「鉢巻を すると何故だろ 身と心 締まったような 気分になりて」

  「手拭は 日本の文化 あれこれと 使えて便利 鉢巻までも」

 

 

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