〇少し嬉しく少し淋しいシルバー割引
私はいつの間にか、「昭和生まれ」という古いと思うレッテルを、自分で貼って生きているようです。平成の世の中になって27年が経ったのですから、当然かも知れませんが、記憶力や体力の衰えを感じる度にその思いは一層強くなって、多少諦めの気持ちが先んじると、「これではいかん、頑張らねば」「私はまだまだ若い」と自分に言い聞かせ、カラ元気で生きています。
10日程前妻が何げなく歩いていて、膝がギクッとなり歩くに歩けなくなりました。タダでさえ手薄な職場に迷惑をかけたくないと多少無理をして、近所の病院で膝に注射をしてもらい職場へ出勤したようですが、傷みは幾分収まって快方に向かっているようです。妻の日常の働きは尋常ではなく、これまでの無理がたたったようで、親父が亡くなってホッと一息ついた安堵感からか、少し体の不調変調をきたしているようです。
先日講演で九州に出かけるため、小倉航路の船に乗りました。安上がりの旅をするにはこの航路を利用するのが一番で、船の中で寝ている間に九州まで運んでくれるのですから、多少時間はかかっても、こんなのんびりゆっくりで便利な船はないのです。船に乗るため松山観光港の受付で、乗船切符を買い求めましたが、この航路は20パーセントのシルバー割引があって、名前の下に生年月日を書く欄があるのです。
そんな場合は生年月日を証明するため、携行している免許証を提示するのが普通でしょうが、乗船券売場の若い女性は私の顔を見るなり、「シルバー割引ですね」と言っただけで免許証提示も求めず、あっさりと割引料金を払うとチケットをくれました。65歳前後ならいざ知らず、71歳になったことを自覚しているので、そのまま船に乗りましたが、トイレの鏡に写る自分の顔姿を身ながら、シルバー割引された自分に納得しました。
「年齢が 何だ!!と強がり 日々生きる だけどシルバー 割引特別」
「免許証 見せず顔パス 船に乗る 鏡に写った 自分に納得」
「何げなく 歩いただけで 膝ガクリ 妻の介護は だれがするのか?」
「私には 昭和のレッテル 似合ってる レベルの低さ 相も変わらず」