○大学の今年の授業が始まりました
昨日から愛媛大学法文学部総合政策学科の私の教室の授業が本格的に始まりました。今年度は前期が木曜日、後期が水曜日の2時限目で、10時30分から12時まで講義を行うのです。前期30時間、後期30時間ですから合計60時間に及ぶ4単位の講義を組み立てなければならず、ガイダンス用のシラバスを作りながらかなりハードな仕事だと改めて認識しました。役場に勤めていた現職のころ、顔見知りの助教授(今は准教授)に頼まれ、最初は軽いノリで引受けて始めたこの仕事も、早くいもので7年目を迎えているのです。
学歴もなく人に教えるような能力もない私が、無謀とも思えるこの仕事に何故取り組んだのか、自分自身不思議に思うのですが、その根底にあった「進化したい」という思いだけは今もしっかりと根付いているようです。「夢と勇気をを持って一歩前へ」は実践家たる私の持論ですが、大学では様々な人に出会い、様々な学びによって知識や知恵を学んできました。もしあの時役場の上司が「止めとけ」と静止した言葉に、従順だったら今の自分はないと、改めて意思を通すことの意味を噛みしめるのです。
私の大学で過ごしたこれまでの一時はまるで空想の世界のようでした。長らくまちづくりの仕事を現場第一主義で過ごしてきた実践家の私にとって、大学での学問は地域づくりを理想論から考えることのできる唯一の機会だったのです。理想と現実の間に落差が生じるのは何故なのか、その原因を突き止めながら自分がやろうとしてもできなかった様々なことを考えました。お陰様で随分その辺の疑問は解決しましたが、残念ながらそれを生かす現場はもう私の周りに少なく、今では評論家のそしりをぬぐえないのです。評論家とは自分でリスクを負うことなく人の評価をする人のことですが、それでも地域の活性化について今も理想を追い求め続けているのです。
昨日の初講義は4月9日のガイダンスで、私の話を聞いて面白そうだからと19人の学生自らが選んでくれた学生が対象です。法文学部本館4階の404号室に集まった学生は男性9人女性10人です。相変わらず女性が多いのがつい最近の大学の特徴ですが、自己紹介を聞く限りでは今年も、しっかりしたいい学生が揃ったと内心喜んでいます。
昨年の大学はまるで工事現場にいるような騒々しい雰囲気でした。学内キャンバスの至る所で耐震工事行われていましたが、工事用の足場や駐車場にわがもの顔に置かれた現場事務所もすべて撤去され、ケヤキ並木の緑が濃くなって学校らしい雰囲気が漂っていました。
私には裏門ゲートから駐車場に入るためのパスワードカードが渡されていて、カードを利用すればいつでも自由に構内にフリーパスで入れるのですが、未舗装の駐車場がぬかるんだりする最悪の駐車場なので、洗車した時などは気が重くなるのです。
私にとって今年の悩みは前期だけなので3回くらいですが、コープえひめの理事をしているため、毎月末に予定されている理事会と全く時間帯が重なっているということです。昨日も後ろ髪を引かれる思いで理事会担当の尾崎部長さんに欠席のFAXを気の重いまま送りました。尾崎部長さんから別件で電話が入り理事会の終わった席へ足を運びましたが、何ともバツの悪い気持ちでいっぱいでした。
不惑なこの気持ちはまだ当分は続きそうです。
「今年また 大学授業 始まりて 新たな人に 新た気持ちで」
「今年こそ 理想の授業 する決意 早くも不惑 先が心配」
「六年の 月日は俺に 何教え どんな進化を 遂げたのだろう」
「とりあえず スタートだけは した安堵 学生たちの 若さいただく」