○妻に叱られて
昨晩、妻とちょっとした言い争いをしました。「夫婦喧嘩など犬も食わぬわ。どうぞ勝手にやって」といわれそうです。でも猿でもできる反省をちょっぴりしました。
昨日は風邪気味のため一日家にいるよう妻に勧められましたが、農学部への出勤日でもあるし、官公庁の仕事始めでもあるので、「大学へ出勤簿を押しに行くだけ」と言って午前9時に家を出ました。妻も昨日から初仕事で、しかも夜まで続くことをいいことに、大学で仕事を続けたのです。大学の与えられている研究室はエアコンを28度に設定しているものの、温かい温度は頭の上を空回りして中々床あたりには降りて来ないのです。それでも昼食を食べることも忘れて、持ち込んだパソコンで4時ころまで仕事をしました。途中辞令交付や担当の小田先生の研究室にお邪魔したりして、結構充実した半日を過ごしたのです。
帰り際車の中で携帯電話が鳴りました。発信を見ると妻からです。「お父さん今どこにいるの?」、「うん、今は帰る途中」で電話を切ったのです。家に帰っても妻は仕事からまだ帰っていませんでした。書斎のストーブを付けて持ち帰ったパソコンをつなぎかえ、メールの処理に追われていると妻が帰宅しました。
妻は忙しい仕事の合間を縫って、長浜まで走り無くなった私の風邪薬を貰いにいってくれたようです。年末からこの方一向に直らない私の風邪を心配しての行動だったのでしょう。「あなたは入院して両手両足を動かないようにしないと動きまわる。お医者さんが言うように風邪は薬を飲んで寝ることが一番だから、もう少し寝てください。お父さんは自分では分らないかも知らないけど疲れが出ている。」「暇さえあれば書斎でパソコンに向かっているのも体に悪いから時間制限してください」「死んでもいいの」とまるで脅迫するように目に涙をためて迫ってくるのです。私は「金・飯・うるさい」くらいしか妻とは会話をしませんが、これほど真剣に叱られたのは初めてで、「私がこれほどあなたの体のことを心配しているのあなたは・・・」の殺し文句に、「分かった分かった」で幕引きしました。
結局そんなことがあったものですから昨晩は早目に風呂に入り、妻の用意した風邪薬を飲んで早目に床につきましたが、生活のリズムなどそんなに変えられるはずがなく、今朝は早く目がさめ、布団から抜け出すと叱られるので布団の中で眠れぬ朝を迎えたという訳です。
今朝妻は「くれぐれも外には出ず寝ているように」と言い残して仕事に出かけました。妻のいないことをいいことに、書斎でパソコンを打っているのです。世界中で一番私のことを気遣ってくれるのは妻です。昭和46年に結婚以来約40年近くも一緒の屋根の下で暮らしているのですから、お互いの長所や欠点も分かっていて、手の出しよう引きよう、心の動きなどまさに手に取るように分かるのです。勿論妻もそれは一緒で、だましたつもりが裏をかかれて大恥をかいたことも何度かありました。でも夫婦とはこんなものなんだと思いつつ、涙を流して叱られた嬉しさをかみしめながら、私の健康は妻の心の健康の第一歩であることも肝に銘じたのです。
「今日は気分も随分良いのでそうだあれをしようか」と思ったのですが、妻の昨晩の顔が浮かんで「今日はじっとしていよう」と思っているのです。
「目に涙 死んでもいいのと 叱られた 反省しきり 今日だけじっと」
「嬉しいね こんなに俺の こと想い 隣町まで 薬を取りに」
「結ばれて 早くも四十 年が来る まるでスルメだ 味ある夫婦」
「嘘ばかり ついても嘘は ばれている レントゲンでも 写らぬものを」
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奥様の涙には弱いですね~
でも 奥様の言うとおりですよ~~
頑張って おとなしくしてください(笑)