○玄米食のわが家
「真っ白いご飯に味噌汁、それに焼き魚が一番」と思っていた私が、妻の勧めもあって玄米食になってもう10年近くが経ちました。最初は熱々の白米ご飯に長年馴れ親しんでいる舌を玄米に合わせるには、不味いと思う食感ゆえに相当苦労しました。それもそのはず100パーセント玄米ですからプリプリして、戦後の物のない時代に味わった麦飯やとうきび飯と殆ど変わりがないと思ったのは当然かも知れません。しかし玄米に白米を少し混ぜて食べ始めると、別に気にもならず食べれるようになるのですから馴れとは恐ろしいものです。
「真っ白いご飯」の正体、実はお米の貴重な栄養部分を捨ているのだと聞きました。それというのも白米にする過程で最も栄養価の高い胚芽を取り、米糠とともに捨てているのです。胚芽と米糠には健康維持に欠かせない成分がたくさん含まれていると聞いてもなお、玄米と白米の味の違いを考えると白米に手や舌が伸びるのは当然かもしれません。
玄米食を取り入れるにあたって色々な本を読んだ記憶があります。「玄米には炭水化物や良質なタンパク質のほか、ビタミンB群やE、ミネラル、食物繊維などが豊富に含まれている」という説明を聞けば食べない訳にはいきません。特に「玄米は一汁一菜程度の食物繊維がある」〈食物繊維ビタミンEは白米の6倍」だそうです。
最近新聞で読んだのですが、玄米に含まれている微量栄養素にも注目が集まっているそうです。特に今話題のギャバは玄米に多く含まれ、血圧を正常値にする働きなど、様々な健康効果あるといわれています。またHP6という成分は、ガン抑制に有効ということが立証され、動脈硬化や肥満の予防に効果的なイノシトール、強い抗酸化力発揮するフェルラ酸、更年期障害や自律神経失調症を緩和するオリザノールといった成分も含まれているそうです。みのもんたでもない私は、これを全て鵜呑みには出来ませんが、書いている効能が本当なら、現代人の成人病予防になること請け合いなのです。
しかし、わが家のように孫の家族や知人友人がしょっちゅう出入りする家庭では、全てを玄米にすることも出来ず、お客様のある日は白米ご飯を食べるのです。玄米食になって白米を食べると何故かその日はおご馳走を食べたような錯覚に陥ります。先日も孫が急にやって来て、カレーを作ったまでは良かったのですが、玄米のご飯だったため、玄米カレーとなりました。孫の舌に玄米はまだ不味いと感じるのでしょうか、「おばあちゃん、このカレー美味くない」といって残してしまいました。私はすかさず玄米の効能を「このご飯を食べたら大きくなる」とか、「このご飯を食べた人は頭がよくなる」と誇大に説明して何とか食べさせました。
昨晩妻と二人でバラエティ番組をテレビで見ました。森三中の村上さんが恋人ができ結婚する過程で肥満な体を何とか痩せたいと孤軍奮闘する姿が紹介されていました。村上さんは手料理も上手だし、別の料理番組に出てくる何にも出来ないアホな人と違ってしっかりしています。でも何故か肥満なのです。その原因を突き止めるため、自分の食べた物を毎食欠かさずメモする今流行の食べながら痩せるダイエットに挑戦して気がついたのは、食べる物のカロリーの高さ、食べる物の量の多さ、食べる時期の不規則さ、間食の多さに気付いていたようです。確かに肥満は偏食やカロリーオーバーが原因というのは一般的な常識です。でも肥満が急激に増え、それが元で成人病にかかるのは、栄養素が摂れていない現代版栄養失調であることも見逃せません。「この飽食の時代に栄養失調」なんて思われるかも知れませんが、不足している栄養素がビタミンやミネラルなどの微量栄養素だとしたら、玄米を食べることも少しは役に立つのかも知れません。
雑穀も近頃はブームのようです。要は痩せたいと思う一心から全てを排除するのではなく、体にいいものを食べて痩せることが大切なのです。食べる量を減らせば痩せるし、運動すれば確実に痩せます。
「玄米を 食べて毎日 元気です 微量だけれど 何かが効いて」
「食って痩せ 恋して痩せる ダイエット それが出来たら みんなそうする」
「玄米の カレー不味いと いう孫に 誇大説明 何とか食わせ」
「外国に 行けば必ず 白米と 味噌汁沢庵 恋しくなって」