○石油は安くなればいいのか
道路特定財源が問題にならなかった頃は、油が高いのは原油産油国が増産しないからだとまるで他岸の火事くらいしか思っていなかった政治家や国民が、何故か国を二分するような大騒ぎを始めています。ごり押し自民党と何でも反対の民主党が国民の暮らしの安定という同じ土俵に立つこともなく反感反目している姿は、政権維持の自民党と政権奪取の民主党が自分のことだけしか考えない何物でもないのです。自民党も国民のため、民主党も国民のためと、何かと国民を引き合いに出して格好いい事をいうのならもっと妥協点を見つけるべきです。議論を尽くしたという自民党と議論が足りないという民主党はこの四ヵ月余り、一体何をしていたのか、それこそ政治家は月給泥棒になり下がっているのです。昨日の総理の記者会見も一定の評価は出来るものの遅きに失した感じは拭えないのです。数の理論でいけば衆議院は自民党、参議院は民主党とねじれならぬいびつな関係に胃の痛むような総理の姿は内閣支持率の低下よりも更に哀れささえ感じ、やがて福田総理も阿部総理のように途中で投げ出してしまうのではないかと思うのです。日本の将来もいよいよ危なくなってきたと思うのは当然かも知れません。
さて当の私たち国民はどうでしょう。石油は安くなればいいに越したことはありません。今の油の根上がりは異常ですから、暮しは決して楽ではないのです。しかし道路特定財源という油に上乗せした税金を廃止すればそれで片がつくほどこの問題は軽くはないのです。ただ油の値が下がればいいとだけしか思わない国民が多いのも事実で、既に4月1日からの値下がりを見越して買い控えが全国各地で起こっているのです。私も昨日松山へ行ったついでに、友人が経営する門田石油でガソリンを入れました。確かにあと3日もすれば安くなるのですから、車に乗らないようにすれば済むことなのですが、へそ曲がりと言われても私は敢えて油を入れたのです。
この際道路特定財源の問題を環境に軸足を置いて考えてみては如何でしょう。環境といえばいつも問題になるのが二酸化炭素です。二酸化炭素排出量問題の解決には大きく分けて二つの考えがあります。その一つは石油の消費量を節約すること、もう一つは緑を増やすことなのですが、いずれも国の経済や政治が絡むことから中々前に向いて進みません。特に先進国や発展途上の国々では石油が重要な役割を占めていて、節約どころか使用量は増加の一途を辿っています。産油国もいずれはなくなるであろう化石燃料を一日でも長く持たせて高く売り、その資金で国づくりをしようとする意図もよく分るのです。
一方森林資源は未開発地の森林が次々と伐採され、今は現地で製材され木材に加工して先進地へ運ばれているのです。特に今まで輸出国だった国も経済発展の恩恵で木材の輸入に転じた国もあるのです。日本の場合は外材に押された長引く国産材の不況によって、皮肉にも森林が残っていますが、手入れをしない山や無秩序な林道整備、相次ぐ台風などの天災によって、山は荒れて風倒木は災害の原因にすらなっているのです。今に石油に代わる燃料として木が重要になってくるのでしょうが、それまでに環境の視点からもエネルギーの視点からも森林保全をしっかりと考えなければならないと思うのです。
さて石油は安くなるのでしょうか。参議院も衆議院も議長が仲裁さえ出来ない異常事態に国民は政治を見放し、次の選挙には馬鹿らしくて行かないかもしれません。何故投票率が下がるのか、国民も悪いが政治への不信が不参加という方法を取っている事を、当事者たる議員はもっと考えて欲しいものです。
「安くなる 嬉しいけれど 別立てで 増税される 油を売るな」
「油売る 暇があったら 議論しろ 国民のため 容易く使うな」
「俺達は 油枯渇の 時代にも 生きてゆけるが あんたらどうか」
「政治家は 嘘つきばかりで 信じれぬ 選挙終われば とんとご無沙汰」