○孫と二人で磯遊び
松山の幼稚園に通う孫朋樹が今日から春休みとなりました。待ちに待ったように昨晩電話があって、「遊びに行きたいので迎えに来て欲しい」というのです。昨晩からそのつもりで朝を迎えましたが、朝隠居へ行くと親父がどうも風邪気味なので、病院へ連れて行って欲しいというのです。普通親父は90歳ながら7キロ余り離れた診療所へ自転車で行くのですが、この日は往復14キロの行程を自転車で行くのが自信がないのか、自転車をトラックで積んで一緒に診療所まで連れて行けというのです。帰りは自分で帰るということなので、言われるままに出かけました。今日は土曜日ながら診療所は開いていて点滴の予約をとって親父と別れました。
その足で松山の娘のマンションまで走り、孫尚樹を少しの間あやした後、孫朋樹を乗せて途中長男宅へ立ち寄りました。昨晩わが家へ電話がかかってきて、子どもの初節句なので外飾りにするか打ち飾りにするか、妻と相談していました。息子は外飾りの鯉幟が欲しいようなのですが、妻は長男の鯉幟を揚げたり下したりする手間が大変と、内飾りを主張しているようです。確かにわが家は庭が広いし外飾りの鯉幟も悪くはないのですが、妻の言うことも一利あるだけに、私としては妻の意見に賛成なのです。ただ私の子どもとはいいながら孫は息子の子ですからその意見も尊重しなければなりません。辛い選択なのでしょうがここは妻の意見の方に軍配が上がりそうです。
私と朋樹は家に帰って直ぐに身支度を整えて田舎のオープンカーに乗って人間牧場を目指しました。久しぶりの人間牧場界隈はもう梅の花も殆ど散って、畑には蕗が沢山芽を出していました。間もなく子の蕗も大事な食材として味わいたいものです。
水平線の家の窓の戸を朋樹に手伝ってもらって全て開け、早春の風を室内に思い切り入れました。少し肌寒い感じもしましたがやはり気持ちのいいものです。
私は早速地下足袋に履き替えて昨日買っていたプルーンやスモモの苗5本を植える準備をしました。苗木は既に芽吹いていて、少し遅い感じがしないでもないですが園芸店の話だとまだ充分だと聞いたものですから、植えない木は育たないとばかりに植えたのです。昨年森林組合の稲田さんの紹介で植えたスモモは一本だけ枯れましたが、後は順調に育っていて、早くも芽吹いて生育著しく、この分だと来年頃にはボツボツ実を付けるのではないかと思われる程の生育です。
孫は私の姿が見えなくなると、大きな声で「おじいちゃーん」と大きな声で私を探します。孫の今日のお目当ては木々を拾い集めてユンボを造るのだと張り切っていました。日頃は狭いマンションの室内で、滅多なことも出来ず、悶々の日々を過ごしているのでしょうか、双海へ来ると孫は俄然張り切って工作遊びに遊びに熱中するのです。
3時になったのでツワブキを採取して帰る途中、海で磯遊びをする人たちを見つけました。朋樹が「おじいちゃん砂浜で遊んで帰ろう」というので、適当な歩道に車を止めて国道を横切り唐崎近くの海岸に下りて行きました。大潮なのでしょうか、海岸は干潮で沢山の人がワカメやヒジキ、それにニナという小さな貝を採っていました。朋樹と二人で石をはがし、意思の下にあるニナを取り始めました。あいにく買い物用のナイロン袋しか持ち合わせていなかったので、その中に採取したニナを入れて行くのです。期待していなかった割には沢山取れてナイロンの袋に半分以上も取れたのです。朋樹はここでもよほど嬉しかったのか、キャーキャーいいながら、やれカニだとか小魚だとか歓声を上げて夢中になって追い掛け回しました。
ニナも一回食べるほどは確保しました。帰ってすぐさま貝を水で洗い水をためて塩を入れました。これで砂分を吐き出して綺麗なニナとなり、明日は湯がいて爪楊枝で引き出して食べれるのです。とっさの思い付きでしたが、孫にとっては余程印象に残ったのか、夕方まで外でこの貝を観察していました。
「春休み わが家にとっては 春忙し 孫のお守りも 意外と疲れ」
「マンションに 暮らしていると 何となく 自由が利かず 悶々日々を」
「山と海 子どもにとって 楽しみだ だのに子姿 殆ど見えず」
「さあ明日は ニナを湯がいて 食べようぜ 可哀想だと 優しき孫は」