○二宮金次郎の銅像
私の町の小学校に二宮金次郎銅像が2つ建てられています。誰がどんな目的で建てたか定かではありませんが、二宮金次郎のことをつい最近になって色々な書物で見かけるようになりました。多分世の中が不景気になると、質素倹約を旨とした先人の教えが世の人に大事だと教えるためでしょうが、私自身は自分の講演に二宮金次郎のことをよく話しに出すものですから、折に触れ二宮尊徳翁夜話などを読んで若い頃から勉強をしているところですが、二宮尊徳の教えは論理的で分りやすいのが特長といえましょう。いずれ人間牧場で尊徳翁夜話などを素材に塾でも開いたらと考えているところです。
昨日えひめ地域政策研究センターに覗いた際、月刊誌の閲覧コーナーで「かがり火」という雑誌を見つけました。明日馬路村で会う予定の「かがり火」編集人の菅原欽一さんのことも気になっていたので、偶然にも「かがり火」に目を通しました。その中にある会社の社長さんが会社経営の指針にしているという二宮尊徳のことばが書かれていたので紹介します。
遠くをはかる者は富み
近くをはかる者は貧す
それ遠きをはかる者は百年のために杉苗を植う
まして春まきて秋実る物においてや
故に冨有り
近くをはかる者は
春植えて秋実る物をも尚遠しとして植えず
唯眼前の利に迷うてまかずして取り
植えずして刈り取る事のみ眼につく
故に貧窮す
この教えは目先の利益を追わず、長期的視野に立って経営を行うことの大切さを説いていますが、小さなものを積み重ねて大きな物を作り上げる積小為大と一見反するような感じもしますが、考えは一緒なのです。
もうひとつ興味深い話が載っていました。明日行く馬路村の奥のまた奥に魚梁瀬という集落があります。その奥の奥に魚梁瀬杉の原生林がありますが、そこから切り出した150年生の杉の原木の切り株が何故か私の人間牧場にあるのです。その年輪を数えながら人間の人生の短さをしみじみ感じるのです。と同時にたった一つの年輪を作るのに何と1年365日かかるのですから、気の年輪は大したものです。計算だと驚くなかれ150年×365日=54,750日かかった計算になるのです。私は先日もおもしろ教室で人間牧場にやって来た子どもたちのこの話をしてやりました。まさにこれこそ環境教育であると同時に経営の理念でもあるのです。
偶然にも明日は「かがり火」編集人の菅原欽一さんと出会い魚梁瀬杉の原生林を訪ねます。もう少し奥の深い学びをして、少しでも進化して帰りたいものです。
「尊徳翁 何年経っても 衰えず 教え隅々 心動かす」
「尊徳と 言えば馬鹿者 勘違い 損か得かと 言葉通じず」
「百年の 大計杉の 木を植える 今日の幸せ 飯が食えたら」
「尊徳の 教えしみじみ 考える まだまだ浅い 俺の生き方」