shin-1さんの日記

○久しぶりの無人島探検記・ルポ②

?過去20年間にわたって夢と感動を求め続けた無人島由利島を去って7年があっという間に過ぎ去りました。その間平成の合併によって由利島は温泉郡中島町由利島から松山市由利島と所領呼び名も変わりましたが、それでも私の心の中には無人島で過ごした数々の思い出が今も心の中に鮮やかに焼きついて忘れることは出来ないのです。その思いは私が代表を務める21世紀えひめニューフロンティアグループや活動に深く関わった人たちにとってもやはり忘れられない思い出のようです。

 1ヶ月余り前に埼玉県北本市にに住む盟友の工藤日出夫さんから一本のメールが届きました。「もう一度仲間とともに無人島へ行ってみたい」というのです。無人島に渡るにはそれ相当の覚悟と準備が要るものですから、私は大野事務局長と旧中島町出身の豊田さんと相談して準備をしてくれないかと粗方の予定を連絡したところ、数日後企画者が届きました。その企画書を何度か練り直し双方の意見を集約しながら今回の無人島再訪事業は実現したのです。埼玉の同行者は当時無人島キャンプに深く関わった7人です。しかし時の流れとでもいうのでしょうか、工藤さんこそ北本市の市議会議員になっていますが、北本市役所の関係者の殆どは既に第一線から退いたリタイア組で、私も昨日同行してくれた北原君もリタイアしています。無人島に渡る船の都合でこちら愛媛側は大野事務局長と現地案内人の豊田さん、それに私の3人だけに絞りました。

 昨日愛媛入りし人間牧場で交流した北本組を朝8時、大野事務局長と私でホテルまで迎えに行き、三津浜支所に車を置かせてもらって三津浜桟橋9時の出発に備えました。心配された梅雨雨の心配もなく今日は絶好の日和に恵まれ、朝からカンカン照りです。

(大野事務局長の用意したライフジャケットを着用していよいよ無人島へ出発です)

(迎えの船は二神島の小さな船ですが、この船の船足は相当速く、柳井航路のフェリーより早いつわものなのです)

(さあ、船に乗って一路無人島を目指します。工藤さんと大野さん)

 やがて30分もすると船の波しぶきや朝もやの向こうに懐かしい姿の無人島由利島の白い灯台が見えてきました。仲間は総立ちで島を懐かしそうに眺めていました。

(無人島由利島のシンボル白い灯台が見えてきました)

(灯台の右側の島が雄由利です)

(左側が雌ゆりです)

(雄由利と雌由利は細い防波堤でつながれていて、人間牧場からの遠望では遠いためまるで二つの島のように見えます)

 漁船は雌由利の付け根にある天然の港へ到着しました。さあ接岸上陸です。久しぶりの無人島由利島は支持かな佇まいを見せて私たちを温かく迎えてくれました。潮池の直ぐ近くには夏の訪れを告げる島のシンボルオニユリの可憐な花が咲いていて、私たちを優しく迎えてくれました。

(島への上陸)

(由利島のシンボルともいえる野ばらの中に咲くオニユリの可憐な花)

 由利島はロマンの島です。この潮池の奥には縄文土器が出土する石ころの浜があって、私たちは直径10メートルの竪穴式住居を蚊帳1500束、孟宗竹150本を持ち込んで一泊二日の野宿を4回やって完成させ一週間この竪穴式住居で無人島シンポジウムをやりました。また長さ10メートル、直径1.6メートルのアラスカ産のモミの木を4ヶ月間かかってくり抜いて丸木舟を造り瀬戸内海航海もやりました。またメーンである無人島キャンプはサメ騒動で数年間無人島を離れましたが、その間大野ヶ原モゥーモゥー塾や佐田岬半島に挑む少年の集い、牛の峰に挑む少年の集い等をつないで再びこの島へ帰って活動した思い出の島なのです。その間多くの青少年やボランティア仲間とともに様々な感動を得ました。その模様は私が中心になって書き下ろしたフロンティアグループ出版の「今やれる青春」という本に詳しく記録されています。

 変りやすい梅雨明け間近な天気にも一喜一憂しながら随分翻弄されました。炎天下の活動ゆえかなり過酷なプログラムもありましたが、子どもたちは自然との葛藤や人間との葛藤、文明との葛藤などによく耐えてくれました。ドラム缶の風呂や手づくりの住まいは中々のものでした。タコや貝など自然からの贈り物にも舌鼓を打ちました。禁酒禁煙はリーダーにとってかなりきつかったようです。毎年マスコミが大々的に取り上げ、最初の年は愛媛新聞一面トップ記事になりました。また北本との交流は映画にもなりました。海に流したメッセージが遠く広島県三原市、福岡県行橋市の海岸まで流れ着き驚かされました。

 こうして振り返ると、手の指を余って数え切れないほどの思い出が蘇ってくるのです。無人島は私たちにとってはまさに「今やれる青春」そのものでした。

  「目指す島 心ときめき 近くなる みんな総立ち タイムスリップ」

  「今やれる 青春謳歌 過ぎし夏 無人の島に オニユリ咲いて」

  「目を瞑り 無人の島の 香り嗅ぐ 何処か懐かし 子どもの歓声」

  「あれも夢 これも夢だと 振り返る あっという間の 過ぎ去りし日々」

 

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