shin-1さんの日記

○今治を訪ねて

 今年も愛大法文学部の非常勤講師をしていますが、昨日は私の教室の学生24名を連れてフィールドワークの授業で今治市を訪ねました。今治市といえば2年前1市11市町村が合併した、全国的にも大きな広域合併を街です。特にしまなみ海道沿線の島々にある町村が合併しただけに、合併後のまちづくりはどうなっているのか興味もあって学生も引率した私も楽しみにしていました。学生は私のこれまでの講義を予備知識としてグループ討議を行い、住みたいまち、訪ねたいまちそれぞれの4テーマ40項目、合計8テーマ80項目をリストアップして、これから訪ねる今治市、伊予市、西予市、双海町をそれぞれ点数評価して、まちづくりの成果と課題を見つけてゆくのです。

 昨日はその前哨戦として今治市を訪ねたのです。貧乏暮らしの夜間主学生にとって昼間の活動は苦手だし、旅費や食事代のかかる小旅行も敬遠しがちですが、これも学習であると位置づけ、県下を回って生きた学習をするのです。朝の弱い学生に朝8時18分JR松山駅発の電車はかなりきつかったようでしたが、それでも一人の欠席者もなく鈍行列車に乗り込みました。

 

 通勤通学のピークを過ぎた列車内は一両編成ながらかなりゆったりしていて、学生たちはまるで遠足にでも行くようにすっかりリラックスしていました。約1時間で今治駅に着きましたが、高架事業の終わっている今治駅はモダンな佇まいを見せていました。今回のフィールドワークの窓口となっていただいた市民まちづくり推進課の赤瀬補佐は昔からの顔見知りで、今回も無理を承知で受け入れをお願いしたところ、快く引き受けてもらい、既に駅まで出迎えてくれていて、気配りの人らしい姿は今も昔と変わって
いませんでした。赤瀬さんの案内で市役所10階の会議室が予定されていました。

 研修は渡邊企画課長さんがパワーポイントを使って今治について語ってくれました。約1時間実に見事な説明でした。私も色々な行政職員にお目にかかりますが、現状分析や構想説明のどれも新鮮で、合併というトンネルを抜けた後のまちづくりについての話は学生の心を揺さぶったようでした。会場は省エネでまだ冷房が使えず窓を開けての会議となりましたが、熱気はそのまま学習の成果となりました。

 研修会の最初と最後のあいさつも十分だったし、約1時間課長さんに一人一問づつ質問させましたが、みんな素敵な話をしてくれました。そしてその一つ一つに課長さんはアドリブでしっかりと受け答えして返してくれました。

 室内での研修が終わると商店街の中にあるFM今治へ出かけました。若者には一番関心のある場所なので、意外と質素なそれでいて意外と乱雑な室内に一応驚いていましたが、スタッフの温かいもてなしの説明に十分満足したようでした。

 赤瀬さんは中型バスの運転が出来るので、旧波方の名前が入ったマイクロバスを自らが運転して市内視察をさせてもらいました。市民活動サポートセンター理事長の越智さんも同行して、糸山サイクリングターミナルまで行き、しまなみ海道の来島大橋を一望できるターミナルで、越智さんの話を聞きながら来島大橋を眺めながら美味しい釜飯を食べました。お釣りの関係で25人全てが一人ずつお金を払うとあってお店の人も目を丸くしていましたが、何事もなく全員がお金を支払うことが出来ました。

(越智理事長お話です)

(来島大橋を望むサイクリングターミナルで楽しい食事をしました)

 越智さんと赤瀬さんのチームプレーで市民まちづくり支援センターやJAが作った四国最大級の農産物市場を見学し、3時前の今治発の電車で松山まで帰って来ました。若者にとって大学での学びは机上学びが多いのですが、こうした社会を知ることも大切な生きた学問だと思うのです。

(所狭しと並べられている農産物を見て凄いと感じましたが、余りの大きさに少し疑問も生まれたようです)

(マーケットの裏側には貸し農園までありました)

(少し疲れたフィールドワークの旅は電車内での話題をさらい賑やかでした)

  「学生と 今治あれこれ 学びあり 知ってるつもりも 知らぬことあり」

  「驚いた わが教室の 学生は 質問鋭く バッチグーです」

  「緊張で 眠れぬ二時間 だったそう 話を聞いて いつもかくあれ」

  「行き帰り まるで表情 別の人 学びは人を こうも変えるか」 

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shin-1さんの日記

○マイ箸が理にかなっている訳

 昨日は愛媛大学法文学部総合政策学科の私の教室の学生を連れフィールドワークに今治まで出かけ、帰路えひめ地域政策研究センターの主催する会合に出席し、久しぶりに出会った高知県馬路村の東谷組合長と隣の席で旧交の盃を交わしました。参加した研修生と話が弾みましたが、「若松さん、あなたは一体何時寝るのですか」と唐突な質問に出会いました。私の答えは「4時間」でした。つまり日常は夜12時に寝て朝4時に起床します。「そんなに寝ないで大丈夫?」とも言われましたが、「まあ人に話す間に脳を休めていますので」と付け加えると益々不思議そうな目で見られてしまいました。

 さあぼつぼつ寝ようかと思い居間でテレビを消そうとすると、ニュースの特集で「箸」についてやっていました。日本の割り箸産業は安い中国産の割り箸に押されて壊滅状態だといわれており、ここにも日本の悲劇が起こっています。しかし中国の割り箸産業も例外ではなく、中国の山奥では割り箸の原料となる木材が切り尽くされ、丸裸のような山の状態が映し出されていました。中国の急激な経済発展は様々な場所にひずみが生じ、住宅の建築ラッシュで木材は枯渇状態にあるといい、割り箸の原料木材とともに、政府が資源保護のためにその原料をロシアに求めていましたが、ロシアはその事を察知して関税をかけ始めたため、割り箸は木から竹へと変化しているのです。日本でも里山を埋め尽くす勢いの竹の利用が問題になりますが、竹は成長が早く資源はまだまだ大丈夫なようです。

 しかし驚いたことに、日本人の求める竹の割り箸は白い色を好むのだそうです。今の今まで知りませんでしたが、竹本来の色は黄色味を帯びているのに、白くするためには漂白剤で漂白するのだそうです。その漂白に使われる亜硝酸が実は人間の身体に入ってはならない薬品なのです。私たちが何気なく割り箸を格好よく口と手で割って食べる仕草で、既に割り箸に染み込んだ薬品が知らず知らずのうちに体内に食物とともに入っているのです。

 コンビニで弁当を買うと決まって店員さんが「お箸はどうされますか」と聞きます。コンビニに供えてある見るからに安い箸も実は危ないのです。中国で作られた割り箸はダンボールに入れられて日本に輸出されますが、そのダンボールには「安全」を示す「無消毒安心安全」の文字が印刷されていましたが、実はこのダンボールは日本の商社が作って中国へ送り、その中に入れて日本に送っているのです。つまり紛れもなく「内容偽証」なのです。

 この実態をテレビで見た時、日本人の儲け主義からくる愚かな行動を垣間見る思いがしました。何気なく使い捨てている割り箸でさえもう信用できなくなっているのです。私たちは何を信用して暮らせばいいのか、報道特集は私たちに警告をしているようでした。しかし報道特集を組んだマスコミは昨日の段階では風評被害をあおるにしか過ぎないようにも思えました。マスコミの力は絶大です。ミーとホープ社のひき肉事件を見るまでもなく、食の安全性を警告し国や県の行政指導の在り方を根本から変えていく一助になったことはマスコミへ大きな拍手を送りたいと思います。出来ればこの報道がきっかけとなって安全な割り箸が一刻も早く実現する事を一国民として祈りたいものです。

 私のマイ箸運動は、使い捨てによる木材伐採から山を守り、それが水資源の涵養につながるから割り箸使用を少しでも減らそうとの考えくらいでした。でもこの話を聞いてマイ箸運動は理にかなった運動だと意を強くしたのです。毎日持ち歩くカバンの中でマイ箸はひとり納得して今日も出番を待っているようです。

  「えーこれも 危ない報道 聞く度に 何を信じて 暮らせばいいのか」

  「知ることで 心の不安 益々と 広がりまたも 不安増幅」

  「マイ箸を 使う自分が 誇らしく 思える暮らし 安心安全」

  「どれ程の 割り箸使う 日本人 無知もいいとこ 知らず知らずに」

 

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