shin-1さんの日記

○水臭い水の話

 原油の値上がりは今や留まるところを知らないようで、最高値を更新したというニュースにため息を漏らすのは私一人ではないと思います。株もやらず外国旅行もほど縁遠い庶民たる私には、毎日ニュースで伝える株式市場や為替市場よりも原油市場の方が気になるのですからおかしな話です。それもそのはず自家用車を2台持っているわが家では、特に乗車となると毎日乗るものですからガソリン給油の度に毎回5千円弱の金額を払い悲鳴を上げているのです。国道沿いの給油所は1円2円の安売りにしのぎを削っていますが、友人知人のいる私はそんな場所を探すこともできず、海の向こうの砂漠の国の話として諦めるしかないのです。

 アラブの砂漠地帯は豊富な地下資源に恵まれ羨ましい国だとばかり思っていましたら、彼らは「水に恵まれている日本が羨ましい」と言うのです。ないものねだりかもしれませんが、確かに言われてみれば日本は水害などの自然災害は多いものの川も沢山有り水の多さを実感するのです。

 ガガーリンという宇宙飛行士が「地球は青かった」という名言を残すほど地球は水の星です。その地球の水の99.9パーセントは海水で、0.1パーセントが淡水だそうです。しかしそのうち人間が利用できる水は更に0.01パーセントでその水も時代の流れとともに人間のエゴによる汚染がどんどん進行して危機的な状況にあるそうです。

 水といえば私の体だって55キロの体重なのですが、その65パーセントに当る36キロまでが水分だそうです。しかもその体内の水分は約16日で入れ替わるというのです。今年は夏が暑くて熱中症で亡くなる人がいるほどでしたが、仮に水を一滴も取らないと体内の水分が一巡する16日程度で亡くなるのだそうです。

 水は動いているから腐らないので、桶に入れて3日も放置しておくと腐り始めます。ダムは水をためる大きな桶のようなものでしょうが、ダムに澱んだ水は死水のような栄養のない水だといわれています。都会の人が飲んでいる水は一見衛生的で綺麗な水のように思われていますが、実は少し危険な水を飲んでいるのです。私たちが始めて都会に行って水を飲んだ時、言いようのない不味さに鼻をつまんだことがありますが、一見谷川から取水している田舎の水は延性管理もそこそこで汚く感じられますが、ダムの水よりましな水だと自慢して飲んでいます。

 元上司だった今は亡き上田教育長さんが「水は方円の器に従い人は善悪の友による」という言葉をよく話されていました。その当時は余り深く考えなかった水五則という教えも今となっては身に染みるのです。水を飲む度にそのことは思います。また「水は高きより低きに流れるが人は低きより高きに流れる」と文化の話をしてくれたことも思い出します。文化については諸説があるのでこの辺で留め置きますが、文化の高き所へ人が集まるのであれば、文化の花開く町をつくらなければならないでしょう。

 今まで余りにも無頓着で水は何時でも何処でも手に入ると思っていたのに、気がつけば人間が生きてゆくうえで水ほど大切なものはないのです。気がつき始めたのかそこここで浄水器を取り付けたりして水にこだわる人が少なからず増えつつあるようです。いいことです。

  「無人島 暮し始めて 二十年 たった四日で 水は神様」

  「亡くなりし 教育長が 言っていた 水に学べと 口を酸っぱく」

  「水さえも 高きへ向けて 流す人 これこそエゴだ しっぺ返しが」

  「アブラより 水が欲しいと いうアラブ アブラ欲しさに 戦までして」 

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shin-1さんの日記

○米寿のおばあさんにお化粧のプレゼント

 私の友人に岩手県一関市室根に住む金森勝利さんという人がいます。「何でそんな遠方東北の人を知っているの」といわれそうですが、たまたま東京上野の国立社会教育研修所へ公民館職員講座の講師として招かれた際、参加していた金森さんが私の話を聞いたそうで、何年か後私の事を思い出し一関市の公民館研修会に彼の尽力で私を呼んでもらい急速に交友が深まったという訳です。その後もメールでのやり取りが頻繁となり、今月始めにも一関市室根に招かれ再開を果たしたのです。

 彼が指導している室根青年ふれいあ塾では敬老の日の17日、若者たちが町内の米寿の女性にお化粧をプレゼントする行事が毎年続いているそうで、室根に行った折その話を聞いていたので、新聞に載ったら送ってくれるよう頼んでいたら、昨日メールに添付して送ってくれました。

 岩手日日新聞社の記事を紹介します。

 米寿女性に化粧プレゼント 一関市室根・青年ふれあい塾(9/18)

 敬老の日の十七日、一関市室根の若者たちが町内の米寿の女性に「お化粧」をプレゼントした。おばあさんたちは目元まできれいにメークしてもらった自分の顔に照れながら、少女時代に戻ったような輝く笑顔を浮かべ感謝した。

 室根公民館が主催する青年ふれあい塾が平成十年から毎年行っているもので、同塾のメンバーや高校生十人が参加。町内の八十八歳の女性のうち五人の自宅や入所施設を訪ね、このうち同町折壁の特別養護老人ホーム孝養ハイツでは、西村いとさんと小野寺恵子さんの二人にお化粧を施した。

 若者たちは「好きな色はどれですか?」などと声を掛けながら、パレットに並ぶさまざまな色の中からそれぞれに似合う色を吟味。ファンデーション、アイシャドー、口紅、チークと、分担しながら丁寧にメークを行った。

 「女性なら化粧道具を一通りそろえないと行かないのだろうけど、クリームを付けるぐらいしかしなかった」という西村さんは、鏡に映る化粧顔に「自分でないようだ」と語り、職員から「きれいだよ」と声を掛けられると照れ笑い。

 参加した佐藤美香さん(高三年)は「将来介護の仕事に就きたいと思っているので、お年寄りが喜ぶ姿を見れてうれしい」と語り、美容系の進路を目指しているという小山香苗さんは(高三生)は「しわがあったりしてメークするのは難しかったけど、何色を合わせたらいいか考えるのが楽しかった」とメークの出来栄えに満足そうに見詰めていた。

 所変れば品変わるといいますが、何て素晴らしい企画なんでしょう。添付された写真では高校生からメークをしてもらうおばあちゃんの姿が何とも幸せそうに見えました。今の若者はと揶揄される現代にあって高校生をも巻き込んだ敬老の日の小さくも大きな声援たちの心温まるプレゼントに心から大きな拍手を送りたいと思います。

 この計画実行の段階でも88歳の方々の名簿が欲しいと役所に相談したそうですが、やはり個人情報保護法という法律を楯にかなり苦心をしたそうです。考えさせられる話でした。

 公民館は青年の溜まり場なのに殆どの公民館に青年たちは何故か集まろうとはしません。それは金森さんのような青年と行動を共にするよき相談相手がいないのかも知れません。もう一度青年は今何を求め、青年に何を期待し、青年に何をすれば良いのか考えてみる必要があるようです。

  「いいもんだ 青年たちの 善行は 心ほのぼの 大きな拍手を」

  「送られた 写真のばあちゃん はにかんで それでも私 綺麗に見える?」

  「孝行の 真似事してる 高校生 百点くらい 付けてやってよ」

  「金や物 あげることより 真心を これが米寿の 心得ですよ」  

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