shin-1さんの日記

投稿者: | 2008年3月17日

○タイムカードの思い出

 先週の金曜日、所用で市役所支所へ行きました。普通の住民は玄関から入るのですが、途中新しい庁舎に変わったといいながら、35年間もこの役場で働いてきた私は、どういう訳か脇にある通用門の裏口から入る癖がついていて、いつの間にやら足が自然とそちらへ向くのです。ふとその事に気がつき、「そうだ、次回からは内間の人間ではでないのだから正面玄関から堂々と入ろう」と、決意を新たにしたのです。それにしても長年の習慣は恐ろしいもので、役場=裏入口だったのです。

 通用門の入った所にタイムカードが置かれています。このタイムカードも今となっては笑い話のようですが随分物議を醸したものです。タイムカードが導入される前の役場は「出勤簿」と称する台帳がありました。例えば今日だと3月17日の欄に印鑑を押すのです。それはアバウトなもので、遅れて来ても早く帰っても押せますから、ハンコ一つでその日の出勤を証明する唯一の手がかりとなるのです。ずるい人は前日休んでもそこに休みのハンコを押さず、何日かしてそっとハンコを押せば出勤もどきになったりしていました。ところが逆に私のように社会教育などで夜遅くまで働いてもそんなものは自己申告ですから、超勤簿という別冊を見ない限り出勤簿には何ら証拠として残らなかったのです。また役場に立ち寄らずに直接現場に向う場合も、どこか後ろめたいような気持ちで出勤した時押していました。この出勤簿は何故か普通はいかにも重々しく助役室の机の上にあって、助役の顔色を伺うようになっていたのです。役場職員の中には出勤簿にハンコを10日間も押さず助役からきついお叱りを受ける自堕落な職員もいたのです。

 新しい役場庁舎がが出来た少し以前ですが、役場の人事管理がうるさくなって、出勤状況や勤務評定のためにタイムカードが導入されることが検討されました。民間企業では既に導入されていたのに役所では職員組合などの会合で、やれ賛成やれ反対と思い思いの意見をいいあった長閑な時代でした。タイムカードを出勤時毎朝挿入すると、出勤時間が正確に記入されます。私にとってこれは随分不都合なものでした。というのも私は毎朝12年間朝5時から8時まで、まるでフレックスタイムのようにシーサイド公園の海岸清掃や水槽掃除をしていたものですから、時には長引いて8時半に間に合わないことがあるのです。仕方がないので人事管理の担当者と相談し、ペン書きでそのことを記入させてもらいました。

 そんな長閑な経験からふと思ったのは、タイムカードを導入した時、職員の行動がタイムカードに合わせるようになったことでした。ハンコを押すアバウトな役場の暮しがタームカードという機械に支配されたのです。それまで遅れ気味に来ていた人は飛び込みにも似た行動で遅れなくなったことは立派というより当たり前になりましたが、早く来て掃除などをしていた人がタイムカードに合わせるよう遅く来るようになりました。また、タイムカードさえ押せば何をしたかなどはカードに記入されないので、登庁・退庁さえ記入すれば、後はキセルのような仕事ぶりになった人もいました。

 タイムカードという機械の導入によって確かに便利になり一見人を支配したように見えますが、その陰には機械で見えない部分の÷知恵も働くようになるのです。要は自分の生き方をどう戒めて生きるかにかかっているのだと思うのです。出勤簿が懐かしくなりました。

  「出勤簿 なんて帳簿が あったっけ タイムカードに 懐かし日々が」

  「通用門 未だに利用 こりゃいかん 次から堂々 正面玄関」

  「役場から 見ていた外も この頃は 外から役場 見える身分に」

  「出勤簿 押したハンコが 今もある これで仕事の 全て決栽」

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