shin-1さんの日記

投稿者: | 2007年6月11日

○再びの千本山③

 私たちの日々の暮しは何気なく過ぎて行くことの中に、まるでサンドウィッチのように初めて体験する出来事が組み込まれいます。その数と衝撃が多ければ多いほど人生は充実しているのでしょうが、普通の人にとってはそんな機会はそれ程多くはなく、ましてやそんな機会に例え出会ったとしてもカルチャーショックと感じにくいものなのです。幸い私のリタイアしてからの人生は「旅」と「まちづくり」、それに「人の心」がテーマなので、日々多くのカルチャーショックに出会える幸せをかみ締めています。

 この3日間、全国まちづくり交流会で訪ねた馬路村での出来事も様々なショックに出会いました。馬路村へはこれが3度目の訪問でしたが、過去2回と変わらぬ大きな発見が幾つかありました。

 ①人との出会い

 今回は全国まちづくり大交流会と銘打って、北は北海道から南は沖縄与論島まで全国から多くのまちづくり人が集いました。鳥取県北栄の四門さん、山梨の市原さん、、東京のかがり火菅原編集長さん、松下政経塾の兼頭さんたちに混じって高知県奈半利町の坂本さんご夫婦やその仲間など、会場には再会を喜ぶ顔々がいっぱいありました。勿論地元の東谷組合長さん、木下さん親子、魚梁瀬の湯浅社長さんご夫妻、馬路村の青年など多彩な顔ぶれに出会いました。特に奈半利町の坂本さんなどはわざわざ自分が作ったお米を二袋も手土産に持ってきてくれ大感激の再開でした。日ごろ交流をしている人でも違った場所で会うとまた違った趣きがあるものです。

 今回も多くの新しい顔に出会いました。100枚以上を用意した名刺も殆ど空になってしまいました。前夜祭まではそれ程ではありませんでしたが、私の講演後に行われた交流懇親会はあっという間に100枚の名刺がなくなってしまったのです。「北海道へ話しに来てくれないか」などと早くも次なる出会いを予約してくれる方々や、伊勢志摩の二見からやって来た同名町の人々との出会いは嬉しい出会いでした。これからもこの人たちと一緒に楽しい旅を続け、ささやかな夢を見たいものです。

(木下課長さんたちが作ろうとしているささやかな森も、多分2年後には馬路温泉の窓越しに見える素敵な森に生まれ変わることでしょう。蒔かない種は芽吹かないし、植えない木は育たないのです。)

(対岸の馬路村温泉)

 ②自然との出会い

 今回の旅で不自然も人の想いで自然になる事を学びました。前回訪ねたときはまだゆずの森は殺風景でしたが、僅か二年の間に植栽した木々は緑の木陰を作り自然と同化していました。東谷組合長さんが黒川温泉に学んだ最も苦心して作った不自然空間なのにそこは自然がいっぱいあってまるで違和感がないのです。ふと私が手掛けたふたみシーサイド公園の人口砂浜を思い出しました。他所から運んだ凄い量の砂で砂浜を復活させたため最初は違和感がありましたが、10年も時が経つと砂は波に洗われ波に流され、風が砂を運んで見事なまでにS字形に変形し美の空間を作っています。勿論私が12年間もこまめに毎朝掃除をして美しさを保った人為的な努力もありますが、人間と自然の相互努力はまちの原風景を変えてゆくのです。

 今回エクスカーションで訪れた千本山の杉は人間の力ではどうにも出来ない時空を越えた自然の営み故に大きな価値があるのだと改めて思い知らされました。初めて千本山の杉の木に出会った前回の感動とはまた違った新しい発見があったのです。

(千本山の入口)
(千本山の入口にかかった木製の吊橋、この橋を渡ると200年のタイムトンネルを越えたまるで別世界が広がります。)

(森の案内人。朴訥とした語り口がまた味があります。)

(全国から集まった人たちは大きな口を開けて天を仰ぎ、杉の木と対話しています。)

 人間牧場にある150年生魚梁瀬杉の切り株を使って環境問題をとらえる私にとって、この森はまさに「森は海の恋人」なのです。屋久島に次いで日本屈指の降雨量を誇る魚梁瀬で一年365日に僅か一つの年輪しか刻まない木々が私たち人間に何か訴えているような気もしました。

 帰り道、魚梁瀬地区に住んでいる湯浅建設の社長さん宅を訪問しました。魚梁瀬小学校の真ん前にある事務所兼自宅の社長室で談笑し奥さんにお茶を入れてもらって昼食を食べました。ご夫妻にはわざわざ魚梁瀬杉の板を木下課長さんと人間牧場まで運んでもらった恩があるのにまたまたのご厄介です。また何時の日にかお会いしてお話したいものです。

  「奥の奥 森の巨人に 会いに行く ものは言わぬが 教え請いたく」

  「中型の バスがやっとの 狭い道 それでも人は 一目見たくて」

  「吊橋は 何か旅情を かきたてる 向こうに住みし 人の気配が」

  「目だたずに 咲きし卯の花 芳しく 初夏が来たよと ささやくように」  




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