shin-1さんの日記

○本を買うのは容易いが本を売るのは難しい

 一昨日の地元新聞朝刊に私が代表を務めるえひめ地域づくり研究会議の記事が掲載されました。私の講演要旨が出た翌々日だったので関心も高く、あちらこちらでその話が出ています。今回の記事はえひめ地域づくり研究会議創立20周年記念誌の出版を知らせるもので、わが双海町出身でえひめ地域政策研究センターに伊予市役所から出向して会議の事務局を担当している松本君が記念誌を持って恥かしそうに写真に写っていました。あらかじめ松本君からその話を聞いていたので納得しながら読ませてもらいました。

 3日前私はセンターに出向き立派に出来上がった記念誌を50冊松本君から受け取りました。というのも前回の運営委員会で私の提案で記念誌をそれぞれの運営委員が20冊以上販売する目標を渋々?ながら認めさせました。多分異論もあったのだろうと思いますが、資金難にあえぐ小さな団体なので60万円をかけた記念誌を少しでも多く売らなければ事業をすることが出来ないからです。言いだしっぺの私を含めた代表運営委員をしている3人は最低50冊は販売するとみんなの前で公言したのです。

 さて本は買うもので売ったことなどない人にとっては、これくらい厄介なものはありません。ましてや自分の本でもない記念誌ですから説明や想いがないと相手には無用の長物だし、売ることは困難なのです。幸い私は自著本「昇る夕日でまちづくり」を6千部、ボランティアグループの「今やれる青春」を3千部販売した実績があるのです。ですから50冊のノルマは何のことはありません。まず買ってくれそうな人を頭に描き手始めに人間牧場を見学に来た人にアタックしてみました。小学校の玉井校長ご一行様4冊お買い上げ、東京都奥多摩町視察者ご一行5冊お買い上げ、そして今日はえひめ生協の松本専務さんにご無理をいって3冊お買い上げ、漁協女性部の皆さんに10冊お買い上げと私の業績はうなぎ上りです。それもこれも日ごろの出会いやまちづくりのネットワーク、フットワークがものをいうのです。

 それでも時々「本を買ってください」といっても、「それ何なん」とか、「私はそんな難しい本は要りません」とか幾ら説明しても拒否する人も中にはいるのです。多分そんな人は私たちと価値観や生きてる世界が違うのだとあきらめて引き下がるのですが、私のブログさえ見たことも見る方法さえも知らない人に幾ら必要性を説いても「馬の耳に念仏」なのです。

 本を読まない人たちは一体何で知識を得ているのでしょう。多分察するにテレビやラジオ、新聞や人の話が殆どなのではないでしょうか。まあそれでも生きていけるし本を読んだからといって幸せになるとも限らないのです。でも私の知識の殆どは活字媒体からですし、その事によって随分豊かに暮らしてきました。これからもできる限り本を読みたいと思っています。

 今回の記念誌はワンコイン、つまり500円です。ポケットマネーとして簡単に出し易い金額として五百円硬貨一枚の値段を設定しました。ガソリンだと2リットル強、ペットボトルのお茶だと3本で50円のお釣り、そこら辺の温泉だと1回の入浴料金、子どものちょっとした小遣い銭、勿論双海町から松山までのJR運賃にもなります。こうして価値を比較してみると記念誌は500円といえどかなりグレードの高い情報誌だと私は思いますが、さてさて猫に小判の人も多くいるはずです。

 今回の記念誌販売はややもすると経済を無視する風潮のあるまちづくり人が、本を売るという手法で資金を稼ぐ始めての試みなのです。多分個人差もあるので余り期待は出来ませんが、もし原価である60万円を稼ぐのであれば、えひめ地域づくり研究会議の未来は明るいと、ふと捕らぬ狸の皮算用をしております。

  「買うもので 売るなどできる はずがない そこを越えねば 未来あるまい」

  「ワンコイン 出すのを渋る 人々を 騙して出さす これも裏技」

  「役場さえ 買わぬ記念誌 誰が買う 少しは勉強 しろと言いたい」

  「セールスも 出来ぬ人など まちづくり 出来る訳なし 経済観念」  

 

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