人間牧場

〇食後のお薬

 他に何の取り得もない私ですが、「元気印」だけは誰にも負けないと思っていました。ゆえの過信も多少あって無理をしたせいでしょうか、このところ体調の変化が少しずつ現れ始めています。妻は「働き過ぎ」と「歩き過ぎ」を再三注意してくれますが、自分では「働き過ぎ」だと思わないし、毎日一万歩を目指して歩いている日課も、それほど「歩き過ぎ」だとも思っていません。

 しかしよくよく考えると、思い当たる節も幾つかあって、はてさてこれからの長いか短いか分らない神のみぞ知る余命を、健康的にどう生きるか再考が必要だと思い始めています。先週突発的に起こった身体の異常時、病院で診察してもらった際、お薬を飲むよう医師から指示され、薬局でお薬を処方してもらい受け取りました。その際薬剤師さんから「ジェネリックのことを知っていますか?」と尋ねられました。

 「高橋英樹でしょう」と悪ふざけをして笑われましたが、「ご存知のようなので」と、安い薬を処方されました。以来この一週間朝夕の食後に、妻が用意してくれる白湯で薬を飲んでいます。実は妻も最近血圧が少し高めで薬を飲むようになっていますが、昨日の夕方食後に、「この薬死ぬまで飲まなきゃあいけないの?」とポツリ私に問いかけました。老夫婦が会話しながら食後に薬を飲む光景を、何とも寂しく感じたのでしょうか。

 聞いたり見たりすれば、私たちの知人や友人も、旅行に一緒に行った時など何のお薬か分りませんが、お薬を沢山持参して腹が太るほど飲んでいるようです。晩年薬を飲んでた親父の姿と自分の姿を重ねながら、積り始めた老いの厳しさを感じました。「酒もタバコもコーヒーも飲まないのだから、せめて薬ぐらいは飲まなくっちゃあ」と妻に悪ふざけを言って、「何を馬鹿なことを言ってるの」とたしなめられました。「アハハのハ」でした。

  「用意して くれた白湯にて 薬飲む 食後の習慣 死ぬまで続く」

  「酒・タバコ コーヒーさえも 飲まぬから 薬くらいは 妻に叱られ」

  「薬局で 高橋英樹と 答えたら 知ってますねと 薬剤師さん」

  「お薬を ビールで飲んでる 仲間いる それでも死なず 生きてる不思議」

  「デザートの 代わりに薬 飲む夫婦 食後随分 様変わりです」

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