〇皇帝ダリア
最近あちこちの空き地に、人の背丈の3倍もあるような、かなり背の高い茎に薄紫の花が咲いているのをよく見かけるようになりました。この花の名前は皇帝ダリアというのだそうです。何年か前この花を始めて見た時は、その清楚な姿に眼を奪われましたが、最近は挿し木で簡単に増やせることから急速に広まって、町内のいたる所で見かけるようになりました。
私の町は海沿いに面しているため、この時期は秋特有の季節風、北東の風がかなり強く吹くので、背丈の高い花は倒れるのではないかと、他人事ながら心配しますが、茎の太さは腕首ほどの花木に似た大きさなので少々の風では倒れないようで、その頑丈さに驚いていますが、心配したとおり中には、風の餌食になって倒伏しているものもあるようです。でも花もヒマワリのようにかなり大きく、高いゆえ遠くからも眺められるのです。
近所に住む私の姉悦子は花が好きで、自宅の前の道に面した場所に沢山の花を、プランターに植えて楽しんでいますが、年中季節の花を植えているので近所の評判となって、自分の名前の如く悦に入っています。100歳で亡くなったおじいさんが隠居に使っていた家の空き地に、皇帝ダリアが沢山植えられていて、先日郵便局へ手紙を出しに行った帰りに、手持ちのデジカメで撮影してみましたが中々のものでした。
この畑は数年前まで、おじいさんが亡くなってから姉夫婦が、家庭菜園として使っていましたが、最近は体の不調を訴えてそれさえやらなくなったため、皇帝ダリアの近くまで入ると、雑草の引っ付き草と、大臣グモの巣の洗礼を受け、洋服やズボンは引っ付き草がいっぱい付き、被った帽子や顔にクモの巣がわんさとついてしまいましたが、青空につんと突き出た皇帝ダリアの花を、思う存分観賞することができました。
「そこここに 背丈の高い 花ありて 皇帝ダリアと 人に教わる」
「皇帝と いう名の通り 気高くて 紫の花 秋空似合う」
「クモの巣と 引っ付き草の 洗礼を 受けて体は みすぼらしくて」
「花愛でる 心のゆとり 持ちたいと 常々思う 生きてるゆえに」