○酒の呑み方を書いた一枚の看板
パソコンのアルバムを会え入りしていたら一枚の写真を見つけました。もう前のことなので記憶は定かではありませんが、確か北東総研の清水さんとご一緒に新潟へ講演に出かけた折、途中立ち寄った新潟越後湯沢駅の高村さんのお店で見つけた看板ではないかと思うのです。高村さんとはこのことがご縁でその後、魚沼産コシヒカリを送ってもらったり、八海山酒造の蔵元講演会に招かれたりと深いご縁をいただいたのです。
私は残念ながら10年前に胆のう摘出手術をしてそれまで湯水のごとく呑んでいた酒が飲めなくなってしまいました。ゆえに私の体内からはもう完全にアルコールが消えたのではないかと思われますが、酒の不始末は大きいとしみじみ反省をしているところです。
この看板には面白い酒の呑み方が5項目にわたって書いています。まず味わう酒です。酒通といわれる方はこの呑み方をするのでしょうが、酒といっても日本酒やビール、ウイスキー、焼酎、ワインなど様々ですが、料理を食べながら呑む酒はまさに百薬の長かも知れません。晩秋から冬へと季節は変わりつつありますが、秋冬の夜長を料理と一緒に味わうようなゆとりを持ちたいものです。
浸る酒はむしろ過ぎ越し人生を思い出しながら、演歌などを聞きしみじみ呑む酒です。飲み屋のカウンターに一人座って小粋な女将と差しで呑みながら先に逝った呑み友だちや浮いた話の一つでも話しながら楽しい思い出に浸るのもいいのかも知れません。
浴びる酒、これは若いころよくやりました。人生いろいろ思うように行かず、慰めの言葉を聞きながら心の憂さを晴らし、明くる日二日酔いで頭が上がらなかったことを若気の至りと、今も思い出すのです。
呑み込む酒は我慢の酒かも知れません。ひとり我慢に耐えて呑む酒は男涙の味がするものです。さらに呷る酒には一気飲みの仲間が呷る酒もあれば、自分自身がやけっぱちになって呷る酒もありますが、これらは慎まなければならない酒かも知れません。いずれにしても酒を断った私には縁の遠い言葉だしそんな呑み方もできず語る資格はありませんが、せめてお酒は味わう酒が一番いいのかも知れませんね。今夜あたり奥さんと向かいあっておでんでもつつきながら健康的なお酒を呑むという嗜好はいかがでしょうか。
「呑み方は 色々あれど 酒断った 俺にゃ語れる 昔懐かし」
「呑み方は 味わう酒が 一番と 分っていても ついつい悪呑み」
「呑み過ぎて 呑めなくなった 私故 酒と女は 二合(号)適当」
「今になり 酒が恋いしく 思っても 後の祭りだ もう少し早く」