○久しぶりの四万十市
久しぶりといっても先月中旬にお邪魔しただけなのですが、昨日四万十市を訪ねました。例によって途中にある旧西土佐村口屋内にある民宿舟母を訪ね家族の皆さんと雑談し、昼時だったのでお寿司までご馳走になりました。西土佐には知人友人も多く、前回もお米やアユを沢山いただいて帰ったので、妻の気配りで民宿のご主人夫婦が大好きなビールを差し入れしたのです。
昨日は小春日和で最後の清流四万十川も川底が見えるほど澄んでいて、四万十川の名物沈下橋が見える風景は何とも言えない風情でした。
高幡地区の社会教育関係者への講演を頼まれていたのですが、約束の午後3時までには少し時間があったので急いで中村城とも思える高台にそびえる郷土資料館辺りを訪ねました。この山は目にするだけで登っていなかったのでいいチャンスとなりました。急峻で細い道を登って行くと、樹間から旧中村市街の町並みや河口付近の四万十川が一望でき、深まる秋を思わせるモミジの紅葉が鮮やかで、訪れる人もいない城山公園を独り占めして散策を楽しみました。
山頂付近で幸徳秋水の辞世の句が刻まれている句碑を見つけました。詳しいことは看板を読んだ程度で分りませんが、秋水が中村出身であるとは知りませんでしたし、戦争に反対した罪で東京拘置所で処刑されたことや辞世の句まで残していたことを目の当たりにして、城山に登ったことを嬉しく思いました。
国道の看板に誘われもう一ヶ所と欲張って、トンボ公園へ足をのばしました。一度だけ来たことがあるのですがその時も昨日も残念ながら時間がないので外回りだけでゆっくり見学できず残念でした。それでもかなり広大なビオトープを有する園内の沼にはメダカや川ニナなどの小動物が見られ、トンボこそシーズンオフで見れなかったもののそこここに、トンボ公園の主張を見ることができました。園内では散策道路の工事が行われていてビオトープは多少傷んだように見えましたが、これも春草や夏草が茂るとすっかり野生に戻るものと思われました。
急いで記憶にある中央公民館まで引き返し、幸運にも一台だけ空いた駐車スペースに車を止めて中に入りました。この公民館でも何度か講演をしたことがあるので、勝手知ったる気持ちで会場となる部屋の扉を開けました。教育事務所の松下先生から10人そこそこの小さな集会なのでと、前もってお断りをされていたのですが、はてさて何を話そうかと思いつつ、社会教育職員の心構えとでも言うべきわが人生を話しましたが、5時のチャイムに気づき90分の講演時間はあっという間に終わってしまいました。
私は元々青年団活動や公民館活動などから出発しているだけに、社会教育への思い入れは相当大きいものがあって、日ごろ感じている社会教育の右肩下がりへの要らぬ危惧まで話してしまうので、現職の方々には心頭に触る言葉がたたあったと思われますが、まあそれも、社会教育を愛するが故の戯言と見ずに流して欲しいと思っています。
片道150キロ、往復300キロの短くもあり長くもある四国小旅行を、愛車のお陰でいとも簡単に終え、元来た道を引き返し9時にはわが家へ到着しました。昨日の新聞で双海町の海岸国道で死亡交通事故があった旨の記事を読んでいたので、どうしても肱川を下って海岸国道に出ることをどこか心の隅でためらっていたようです。
「久しぶり などといいつつ 四万十の 川街訪ね 新た発見」
「ちょっとだけ 欲張りすれば 少しだけ 知らないものが 頭持ち上げ」
「要らぬこと 言ってしまって 後悔す 愛するが故 水に流して」
「今日もまた 300キロの 道のりを わが人生の 道程加え」