○娘のマンションでの留守番と子守り
今日は松山市道後にある娘のマンションで、留守番と孫の子守りを頼まれ一人出かけて行きました。来春小学校に入学する孫朋樹の学校での健康診断があるらしく、1歳5か月の孫尚樹の子守りをして欲しいというのです。私の予定表をチェックした妻が娘と相談して有無を言わせず私の予定表に「留守番と子守り」と勝手に書き込んでしまったのです。仕方がないので少し早く出かけました。今日は比較的天気もよくて気温も温かく、「まだ時間があるので温泉にでも入って来たら」と勧めてくれるので、車をマンションに置いて歩いて出かけて行きました。
ものの5分程度の所に椿の湯という松山市営の温泉があります。温泉と言っても大浴場があるだけの公衆浴場のようなものですが湯質はきわめてよく、私は娘の家に来たついでに時々利用しているのです。真昼間の温泉はかなり空いていて、やはり地元の高齢者が圧倒的に多いようでした。ゆっくり温泉につかり久しぶりにのんびりしました。こんな時間だし、知らない人ばかりだろうと鷹を喰っていたら、いきなり「若松さんじゃあないですか」とお声がかかりました。はてさて誰だったかな?と記憶の糸を手繰るのですが中々思い出せません。それもそのはずで、「私はあなたの話を県民文化会館で聞きました」というのです。温泉につかりながらその時の話をしてくれましたが、はてさて正直な話覚えていないのです。体を流そうと風呂桶を持って洗い場に行くと、隣で洗っていた人がまた声をかけてくれました。その方は市役所の職員だった人で広域行政を担当していた頃出会った方でした。あれやこれや積もる話をしましたが、落々風呂にも入れない心境でした。
湯からあがって外に出て商店街を歩いて道後温泉本館前まで行きました。昨日までの連休が終わったもののお昼時なのでそれなりの観光客が集まって盛んに記念写真を撮っていました。この界隈は区画整理によって随分立派になり、人力車なども停まっていてどこか懐かしい観光地の風情を感じさせてくれました。再び元来た道を引き返し、娘のマンションまで帰りました。私が出かけるときお昼ご飯を食べていた孫尚樹はすでに寝室で午睡の時間らしく、娘の差し出すお茶をいただきながら孫の昼寝に付き合ってソファーにゴロリ横になってウトウトしました。そのうち娘は学校へ出かけて行きました。寝室を覗きましたが孫はスヤスヤなので、私は娘のパソコンを開けブログを打ちはじまました。しかし勝手が分からず、マウスのないパソコンで打ったブログの内容を登録することができず、ついに幻の原稿となってしまったのです。
孫尚樹は3時半までぐっすり寝込んで、私の子守りの仕事は手持無沙汰でしたが、そのうち起きてきた孫のオムツを替えたり、おやつを食べさせたり、本を読んでやったり、時には腹の上に乗せてアクロバットのような遊びまでして、楽しいひと時を過ごしました。そのうちコートを着せ靴を履かせて戸外へ連れ出し散歩をしました。言葉がまだはっきりと喋れないのですが「ワンワン」だけは言えるようで、あちらこちらから聞こえる犬の鳴き声を頼りに細い路地道を好き勝手に歩かせました。そのうち大きなお屋敷の塀の下でドングリがいっぱい落ちているのを見つけました。孫は喜んでそのドングリを拾い家に持ち帰りました。まもなく娘と一緒に帰った孫朋樹も一緒になって再び薄暗くなり始めた道をドングリ拾いに出かけました。
今日は孫のお陰ですっかりのんびりすることができました。しかし都会のマンションは音もなく声もなく、隣に人の気配もなく、ましてや暑さ寒さの季節感もなく、田舎に住む私には少々息の詰まるような空間でした。
「音もなく 人の気配も ない社会 田舎育ちの 俺には不向き」
「お元気か? 声をかけられ 振り返る 思い出せない 知らないのだから」
「孫の手を 引いて路地裏 のんびりと 映る人影 長く尾を引き」
「パソコンで ブログ書くけど 記憶せず 結局消えて 元の黙阿弥」