人間牧場

〇カモメの餌付け

 今年の12月は北西の季節風が吹いて寒い冬を実感させています。寒いといっても海沿いに面したわが町では、風が強くて体感温度は低く感じるものの、雪が降ったり積ったりはしないため、寒さが苦手な私でも少し厚着をすれば、風邪を引くこともなくどうにか過ごせるのです。しかし96歳になった親父の体には寒さが堪えるようで、今年の夏に冷房用として隠居にエアコンをつけたものの、結局一度も使うことなくシーズンを終えていましたが、ここに来て冷房を暖房に切り変えたエアコンは大活躍で、室温を少々低い20度に設定していますが、今のところディサービスに出かけて留守の、水曜日と土曜日の昼間以外は24時間フル稼働しています。お陰で親父は少し薄着とも思える格好で過ごしているようです。

餌場にやって来たカモメ
餌場にやって来た白いカモメと黒いちゃっかり烏

 この時期海岸線には暖かい頃は海上で暮らしていた、多数のカモメが飛来して、時には船の舳先に仲良く並んで羽根を休めている姿をよく見かけるようになりました。昨日人間牧場での作業を終え、近くのレストラン潮路で昼食を取っていると、窓越しにカモメの姿を見つけました。お店の前の国道護岸にレストランが設置している餌場に、餌を置くとカモメが集まり、先を奪うように餌をついばんでいました。その白いカモメの群れの中に真っ黒いカラスも何羽か紛れ込んで、ちゃっかり餌を食べていました。レストランの窓腰に見える野鳥の群れの行動は、まるでショーを見ているような楽しい光景で、食事に来ていた子どもたちも大喜びでほほえましく窓に顔を寄せて見ていました。

 私がまちづくりに取り組んでいた若い頃、このカモメを観光資源に出来ないか考えた末、カモメの餌付けを思いつきました。松山のパン屋さんからパンの耳を大量に貰って来て、漁港の突堤に振り撒いたりして餌付けは成功したものの、カモメが運(ウンコ)のつき」だと漁師さんに悪評を叩かれました。私は「運(ウンコ)がつく」とネガティブをポジティブに考えましたが、思わぬ反対に遭い餌付けを断念した苦い経験を持っているだけに、餌場に群がるカモメの姿を懐かしい思いで眺めていました。カモメの一番の好物はテンカスであったことも分り、天ぷら屋さんにテンカスを貰いに行った思い出も忘れることはできません。カモメが縁ですっかり仲良しになった天ぷら屋へは今でも時々顔を出し、カモメの話に花を咲かせています。

  「レストラン 窓辺に座り 海を見る 瀬戸内長閑 カモメが飛んで」

  「あのカモメ 餌付け観光 一儲け やってはみたが 漁師に怒られ」

  「運のつき それはネガティブ ポジティブに 運がついたと 思えば楽し」

  「白カモメ 黒いカラスに ちゃっかりと 餌を横取り されてしまった」

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