〇人間牧場の次の工事予定
私が地元の役場に勤めていたころは地元に大小合わせる16もの土木事業所がありました。建設課や産業課には土木の専門技術者が何人もいて、国や県の補助金を貰いながら主に災害復旧事業を組み立て、沢山の公共工事を入札で落札発注していました。その頃の土木業者は「大雨や台風が来たら儲かる」と、むしろ人の不幸が金になる皮肉な時代でした。
私にはその当時のことは談合があったのかなかったのか未だに分かりませんが、16業者が自分の能力に合わせて満遍なく理路整然と受注して、時には工事連帯保証人になったり仕事を助け合ったりして生きてきました。
しかし高度成長の波に乗って右肩上がりに成長を続けてきた公共工事も、平成という時代の到来と共に右肩下がりとなり、平成の大合併で地方公共団体の再編が行われる頃になると、談合が大きな社会問題となり、入札の仕方も電子入札やランク分け入札となって、対応できない小規模業者は廃業に追い込まれていったのです。中には社長が自殺したり、負債を抱えて会社が倒産し夜逃げをしたりして、田舎では大きな社会問題となりました。16の業者は自然淘汰されて今では町内の土木業者は6社にまで激減しているのです。
華やかだったあの頃、社長は33ナンバーの車に乗り、週末にはゴルフや飲み屋に繰り出し、公共工事が一段落する5月には海外旅行にまで出かける羽振りの良さでした。
昨日かろうじて生き延びている小さな土木会社の若社長からわが家へ電話が入りました。私はあいにく留守でしたので、帰宅後電話をかけると社長は、「仕事がなくて困っている。何かないか」と悲痛な面持ちでした。土木業者にとっては公共工事が一段落する5月は端境期で仕事は殆んどないのです。
私は退職後人間牧場を造りましたが、水平線の家の土台もロケ風呂も、倉庫の基礎も、またかまど小屋の基礎も全て安くて丁寧な工事をしてくれることから個人的に仕事をしてもらいました。ゆえにその後ウッドデッキの下の雑石積みもしてもらっているので、そのとき私が話した構想をおおよそ覚えていて、私のやりたいことが分かるようなのです。私も少なからず情にもろところがあるので、値と相談ということで昨日飛べでの講演会から帰って来る時間を見計らって、現地で話し合うことにしました。
(倉庫の右斜面を雑石積みする予定ヵ所)
(回転場左斜面を雑石積みする予定ヵ所)
昨日は予想より少し早く帰れたので人間牧場へ行き、予定の場所がよく見れるように草刈機で草を刈りました。一ヶ所は倉庫のドハ、もう一ヶ所は回転場近くのドハです。社長は草刈りが終った約束の3時半にやって来ました。メジャーで測りながら私の話を絵にしていました。現場での見積もりができないため持ち帰って見積もりをしてみるとのことでした。
年金暮らしの私にそんなに財政的な余裕はありません。加えて家のリフォーム工事の真っ最中なので、妻に相談すると反対はしませんでしたが、返事が重たいようにも感じられました。仕事が途切れると嘆いていたので多分今日辺りに費用の積算見積もりができるものと思われますが、この際ピザ窯予定地も確保したいと持っています。さて度で程の見積もりになるのでしょうか。高いようだともう少しお金を貯めてから工事に取り掛かりたいと思っています。ドキドキです。
「よくもまあ 次から次と やることを 考えるもの 妻は呆れて」
「少しずつ 働き蜂を 見習って 牧場整備 したい思いつ」
「公共の 工事激減 嘆いてる 社長の話 納得しつつ」
「今俺は 年金暮らし なっている ゆえに大した こともできずに」