○大和ミュージアムを訪ねて
昨日は広島県呉市大和ミュージアムで広島広域都市圏形成懇談会主催のフォーラムがあり、早朝より出かけました。立春を過ぎたとはいえ、まだ冬真っただ中のはずなのに、昨日はポカポカ陽気で瀬戸内の海も穏やかに凪いで、松山観光港から約1時間の高速船の船旅は、眠気を催すほど快適でした。
普通は二便に一便の割合で広島宇品港までの途中寄港地ながら、殆ど降りることもなく通過する呉港ですが、昨日は数少ない昇降客と一緒に呉の港に降り立ちました。港には恐縮ながら主催者の皆さんがお出迎えをしていただき、早速DVDの入力状況や出力タイミングなど簡単な打ち合わせを行い、念願の大和ミュージアムを見学させていただきました。
(カメラを忘れたため、いただいたパンフレットより展示されてる戦艦大和の雄姿を転載)
一度は訪ねたいと思っていた施設なのに、中々機会に恵まれていませんでしたが、念願かなっての見学です。しかし残念なことにデジカメを忘れて出かけたため、その全容と感想は紹介できず終いになりそうです。大和ミュージアムは開館以来大変な人気で、年間100万人を超える入場者があるそうす。昨日は土曜日といいながらかなりの人が見学に訪れていました。ボランティアガイドさんの案内でそれぞれのブースを見学しましたが、圧巻は一階に展示している2億円をかけて製作したという戦艦大和の10分の1の模型です。これはド迫力で度肝を抜かれました。戦争という比較的近代の、しかも日本中が巻き込まれた多くの悲劇を、平和への願いを込めて展示している内容は、いつまで見ても、いつまで聞いても飽きないほどの充実ぶりで、もう一度ゆっくりと見学したいと思いながら、駆け足で話を聞きました。
フォーラムは講演・発表・対話の三本立てで、私の仕事は「すすめよう 協働のまちづくり」というテーマでの講演と、発表に対しるコメントそれに対話への対応でした。午後の5時までびっちり集会に絡みましたが、協働のまちづくりを①ローカルコミュニティ(住んでいる地域を住んでいる人が協働で自立的に守る)⇒求心力のまちづくり⇒虫の目的なまちづくり、②テーマコミュニティ(住んでいる地域と住んでいる地域が共通のテーマのもと協働でネットワーク的に守る)⇒遠心力的まちづくり⇒鳥の目的なまちづくりとの視点で、主にテーマコミュニティについて話しました。
地域振興、産業振興、観光振興、森林・河川・海の保全、福祉に充実、教育文化の振興などなど、人々の暮らしの広域化の中で、広域行政と協働のまちづくりはこれから益々大切なテーマになって来るものと思われます。平成の大合併で市町村域が拡大し、市町村の中でのネットワーク、近隣市町村とのネットワークなどテーマコミュニティにおける協働のまちづくりは、どこかがしっかりとシグナルを出ししかけてゆかねば他人事となってしまう恐れがあるのです。そのためには何といってもそれぞれが地域が個性を発揮して輝かなければならないのです。
①フォレストサポートクラブ、②田舎暮らしを楽しむ会、③くれシェンドの発表は中々のものでした。また対話集会も1時間の時間が短すぎるほど参加者から沢山の意見が出ました。私にとっては初めて聞くような話もあってとてもいい活動が広域圏の水面下で行われているようで頼もしく思いました。
どの町でも港周辺は何となくさびれを感じるものですが、呉は港周辺に大和ミュージアムという拠点施設ができたお陰で、随分活性化しているように見えます。過去には戦争という歴史の中心地だっただけに、イデオロギーの問題もあってどちらかというと沈黙を続けなければならない運命にあったようです。でも今こそ平和の祈りをこめて戦争の愚かさを後世に伝える大切な役割を果たして行かなければならないと思うのです。
「広島広域都市圏まちづくりフォーラムin呉」に参加して、これからの協働によるづくりを考えさせられたことに加え、昨日は64歳という私の歳がそうするのか、戦争や戦後について考えさせられた充実した1日でした。
「訪ねたい 念願かない ミュージアム 戦艦大和 さすがにでかい」
「戦争は 愚かなことと 語り継ぐ ガイドの声が あちこち交差」
「目頭を 押さえたたずむ 老婆あり 人生重ね 感極まりて」
「名を聞けば 大和魂 浮かぶ俺 戦争語る こともできずに」