○間違ったキーで水平線の家のカギは開かない
わが家には幾つかのカギがあります。乗用車、単車、軽四トラック、自転車など車のキー、家の玄関や勝手口のキーなどに加え、人間牧場のキーや大学研究室のキーなど様々です。その殆どのキーは忘れたり紛失したときを想定してスペアのキーを作っているのです。ですからどれがどれのキーか確認しないととんでもない間違いを起こしてしまうのです。自分の名前とまではいきません、今日は何曜日で何日だったか忘れるような年代になると、このキーをいちいち覚えることは至難の業なのです。そのため妻は玄関の一番見えやすい場所に吊り下げてくれているのですが、時々へまをやる時があります。車に乗ってエンジンをかけようとするとキーが入らないのです。よくよく見れば乗用車の鍵で軽四トラックに乗ろうとしたりすることがあります。家の敷地内ですから玄関に入り別のキーを持ち出せば間違ってもリスクはそんなに高くないのです。ところがてっきり人間牧場のキーだと思って出かけて、約10キロも離れた場所でキーの間違いに気づくとこれはもう最悪で、泣きたくなるような事態になるのです。もう一度引き返してキーを取り帰ると有に1時間はかかるのです。
そんな間違いを昨日やってしまいました。人間牧場を訪ねた昨日、いつものように軽やかな気持ちで山道を登って行きました。昨日は天気も良く、大河内さんからリクエストなあった習いたての「しあわせのうた」を口ずさみながら、咲き始めた椿の花のトンネルを楽しみ、やっと到着です。車のエンジンを止め急な坂道ゆえにサイドブレーキとギアをエンジンブレーキがかかるようにして降りました。やがてポケットからキーを取り出して玄関の鍵を開けようとするのですが、ポケットから取り出したキーはまったく違ったものなのです。顔から血の気が引くのを覚えましたが既に後の祭りです。どうしようか思案しましたが、後の予定もあるので引き返す時間的余裕はなく、右往左往です。つくづく自分の未熟さや確認の甘さが嫌になりながらも、そこら辺をウロウロしていて、ハッと気が付きました。このようなことがあることを予想して、スペアーキーをどこかに置いていたことを思い出しました。というのも水平線の家を建築した当時、大工さんが完成間近な頃、大工仕事の度にキーを取りに来ることもできず、大工さんと私の約束である場所にスペアーキーを隠していたのです。でももう三年半も前の出来事ですから、多分その場所のキーは息子用に渡しているだろうと半信半疑でした。
ところがどうでしょう。その場所には3年半も前に置いていたキーがちゃんと置いてあるではありませんか。まさにラッ・キーとはこのことです。嬉しくなって水平線の家の鍵をあけましたがばっちしでした。カギは本来そんな墓所に置いておくためのものではないのですが、幸か不幸か今回は幸運を得ました。泥棒はそんな鍵のありかを探すのだそうですが、もう二度とこんな間違いをしないことを自分に言い聞かせ、そのキーは私のポケットに収まり、3年半ぶりにわが家へ帰ってきました。
家を出る時に必ず携帯電は持っただろうかとポケットを確認し、腕時計は、財布は、免許証と名刺れは、ハンカチは、などなど毎日やっても携帯電話を忘れて途中で引き返したりする慌て者です。その度に妻に注意され、その度に妻をあきれさせて笑われるのです。
ブログでその醜態を告白しましたが、これからは沢山ある話がyのキーの中から間違わないように目的のキーを取り出したいと思いました。
「あれ?変だ 鍵が開かない 間違った ドジな自分に ホトホト嫌気」
「ちょっと待て 三年半も 前だけど 大工と俺の 隠せしキー出る」
「ああ俺も やはりぼけたか 歳のせい? 確認もせず 別のキー持ち」
「多過ぎる わが家の鍵の 置場所に 新たなカギが 一つ加わる」