○春はそこまで
昨日は春の陽気を思わせる穏やかな立春でした。午前中締切の迫った原稿を2本書きあげてメール添付して送りました。FAX以外使えなかったリタイア初期が全く嘘のようなパソコン使いの進化には目を見張るものがあって、てきぱきと仕事が片付く自分に少しだけ有頂天になってしまいました。
午後からは寸暇を惜しんで人間牧場へ出かけました。落ち葉を利用した腐葉土づくりと苗床づくりの工程が止まっているのです。腐葉土づくりは葉っぱ+牛糞+油粕+米糠+水などで発酵促進させますが、このところの慈雨で水分の供給ができたため、その上にナイロンをかけて温度を逃さないようにするのです。湿った苗床の葉っぱにそっと手を置いてみると、既に発行が始まっているのかかなり燃えているようでした。早速用意した透明のビニールを畳一畳程度に二枚切り分け苗床全体にかけました。四隅の端々を丁寧に土の中へ埋め算木で固定して出来上がりです。このところの陽気に誘われたのか小さな虫たちがたかっていましたが、ビニールをかぶせられたため逃げ場がなくなり、ビニールの中で右往左往していました。この虫たちも発行に一役買ってくれるのです。
昨年の予定表やブログを見ると3月10日ごろに種芋を伏せているようなので、これから約一ヵ月で腐葉土が完成するか微妙になってきました。苗床には腐葉土になる前の熱源が必要なため、昨日の状態だと何とか間に合いそうです。
ハコベなど畑の草もこのところの雨と温度上昇で早くも青々と茂ってきました。梅畑へ下りてみると10本ある梅の木の何本かは花が満開に咲いて芳しい香りを漂わせていました。梅の木の下に行きしばし一人で花見をしました。しばらくしていると梅の花には沢山の野鳥がやってきています。圧倒的に多いのはやはりメジロで、鶯色の羽根を羽ばたかせながら器用に木にしがみついて花の蜜を吸っているのです。私が口笛で目白の鳴き声をすると、メジロたちはにわかに色めき立って寄って来るのです。
茶色がかった別の野鳥もやって来ました。目白のようにちょろちょろせず悠然と構えて蜜を吸っています。持っていたデジカメで撮ろうとすると、少し離れた梢に移動したためシャッターチャンスは逃しましたが、バードウォッチングがこんなに身近なところで、しかも肉眼でできるのです。小鳥たちももう間もなく歌を覚えて歌うことでしょうが、メジロに交じって羽根を休める鶯を見つけました。来月には鶯の初鳴きが聞こえることでしょう。
(わが畑の水仙も今が満開見ごろです)
(黄色くなり始めた閏住の菜の花畑)
一連の作業や花見が終わり帰りの道沿いにわが家の畑があります。かつてはミカン園でしたが、母の死後放任園になっているのです。私の計画では退職後この畑を再び開墾して花木を植える計画でした。しかし私の退職後の生活に思ったほどの余裕がなくなり、断念せざるを得なくなったのです。でも決して諦めているわけではなく、時期を見つけてと思っていますが、遺された時間はそんなにないので、早い決断が必要なようです。その畑にはもう野生になった水仙が所狭しと咲いていました。水仙の花はもうそろそろ終わりですが、北向きの斜面ではまだまだ花を楽しめそうです。
昨日の愛媛新聞の一面に閏住の菜の花畑が掲載されました。帰り際、その閏住菜の花畑の側に妹の開いているくじらという店があり立ち寄りました。マスコミは凄いもので、新聞に今日掲載されただけなのに、花見の客がたくさん来始めたようでした。まだ少し黄色い花色は薄いようでしたが、道行く人の目を楽しませていました。
「梅林の 花から花へ メジロ飛ぶ 蜜吸い遊ぶ 春はそこまで」
「この畑 母のいるころ 草もなし 我が世になりて 荒れるがままに」
「水仙が やがて終われば 菜の花と 花の暦は 今年も巡る」
「腐葉土に なるため燃えた 自然熱 やがて種芋 育てる力」