○急いては事をし損じる
「明日の朝までに原稿を送ってください」というメールが入って、出張先から帰った疲れた体で、眠い目をこすりながら原稿を書き上げました。依頼された原稿は2千字ほどですから、「400字詰原稿用紙に直すと5枚程度か」と頭で考え、とにかく1時間ほどで仕上げ、昨夜のうちに殆ど確認もしないまま原稿をメールで送ったのです。
朝起きてメールを開けると、送った相手先から「お疲れのところありがとうございます。助かりました」と感謝のメールが届いていました。食事がすんで送った文章を画面に呼び出して読んでみると、変換ミスが3ヶ所も見つかり、私は大慌てで相手に訂正してもらうようメールを送ったのです。ところが相手も余ほど急いでいたのかその文章を確認もしないまま、早速朝一番のサイトに載せて配信した後でした。原稿の間の間違いは私の責任ですが、一旦相手のサイトで公開された文章は相手のミスになるのです。すったもんだの末、相手がいち早く手直しをしてくれて事なきを得ましたが、情報が独り歩きする時代だからこそ確認する大切さを改めて意識させられました。
私は血液型がB型ですからどちらかというと、早とちりな性格です。(B型の人には失礼)ゆえにこんな失敗は何度も経験しています。たった一人で10年間に240号もの広報を出した若いころには、原稿用紙と鉛筆と消しゴムの3点セットで嫌というほど原稿を書きました。役場職員の人事異動の原稿を書いた折、「人事異動」と確かに描いたのに帰ってきたゲラには人事移動となっていたのです。読み合わせでも「じんじいどう」と読むものですから、その文字を見誤り、初校で終わる印刷屋も見過ごしてしまいました。刷り上がった広報を見て血の気が引く思いでした。「原稿で私は異動と書いている」といえば印刷屋も「校正したのに赤(訂正)が入っていなかった」とお互いの非を認めることなく平行線となってしまいました。結果は「移動」の文字を2千部も「異動」とボールペンで訂正し発想しました。まあこれくらいならまだしも、おめでたとお悔やみの欄で、死んだ人がおめでた欄に生き返ったりして、お詫びに出かけたり、訂正記事を書かなければならない苦痛を覚えたり、「急いては事をし損じる」ことが山ほど思い出されるのです。
「狭い日本そんなに急いでどこへ行く」はけだし名言な交通安全の標語です。急いでいるとロクなことはないとしみじみ思いながら暮らしていますが、この歳になってもし損じることがいっぱいあるのです。車に乗って運転しながら携帯電話で話をするのは道路交通法でご法度です。私のように車で移動すると、運転中に電話がよくかかってきます。運転中なのでと出なかったり断っていますが、高速道路を除けば路側帯に寄せて停車して電話を取るくらいな余裕を持たなければなりません。警察が見ていないからなんてことはもう過去の話です。苦い失敗経験はやはり転ばぬ先の杖にしたいものです。
さて今日も、忙しい1週間の幕が開きました。今日は大学の農学部で仕事をして午後は法文学部に移って今年度最後の授業である発表会を行います。学生たちに「急いては事をし損じる」と今日の格言ことばを話してやりたいと思っています。
「急き過ぎて 毎日暮らす この身にて 一旦停止 左右確認」
「そういえば 何でないよな ことなのに 確認もせず 大恥かいた」
「治らない B型特有 直ぐ発車 歳相応の 行動すべし」
「携帯も 時計も忘れ 行く先も 忘れて俺は 一体どこに」
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変換ミスを発見!
発想→発送ではないでしょうか??