shin-1さんの日記

○針と糸

 昨晩のことです。テレビを見ながら妻が針仕事を始めました。看護学校に通っている次男が看護実習ののために必要なエプロンに、自分の作った布文字を縫い付けて欲しいというリクエストに答えての針仕事です。聞けば小児科での実習なので自分の名前とパンが笑っているようなアップりゲで少しでも入院している子供たちと違和感のないような対応がしたいとの願いのようです。

 妻は私より年齢が1歳若いのにもう随分前から老眼鏡を使用しています。だから針仕事の度に私に針と糸を渡して糸を針に通すよう求めるのです。「顔は悪いが目はいい」と冗談を飛ばすほど私は目がよく見えます。さすがについ最近は時刻表の細かい数字は目を細めて見ますが、それでも針の穴に糸が通せるのです。妻が「お父さん素晴らしい」と自分に出来ぬことをやってもらうものですから、針仕事の度に重宝がられるのです。

 今時の若い子の殆どは針仕事が出来ません。息子も少しの間挑戦していたようですが諦めて頼んだのです。妻は昔和裁を習っていただけあって針仕事は得意ですが、それでも針に糸を通す道具に依存しないと針の穴に糸は通らないのです。

 昔の女性はお嫁に来る時花嫁修業として、さしすせそを習って嫁いだものです。さは裁縫、しは躾、すは炊事、せは洗濯、そは掃除です。今の若者は共稼ぎなのでむしろ男性がそうした出来ない部分をカバーするようになっているのでしょう。

 出来上がったエプロンを試着した息子は、「うん中々よくできている」と自画自賛しながら母親に「ありがとう。今日は肩をこらせたので肩を揉んであげる」と優しい行動です。次男は高校卒業で自分の決めた会社に就職し8年間働きましたが、「月謝が溜ったので看護学校へ行きたい」と会社を辞めての挑戦でした。5年間も果たして?と思ったのですが、それは取り越し苦労でした。来年一年で国家試験を受けいよいよ卒業です。「ついでにお父さんも揉んであげる」と横になった私を揉んでくれました。嬉しいサービスでした。

 今週から県立中央病院小児科の実習だそうで、朝早くから起きて準備に余念がありません。多分産婦人科での実習は実姉の指導を受けることでしょうが、少しずつ日増しに成長する次男の姿に、針の穴に糸を通すように目を細め見守っています。

  「俺の目は眼鏡なくても針の穴糸を通せる還暦超えても」

  「眼鏡何処妻の口癖聞く度に見える眼に感謝してます」

  「今の子は針さえ持てぬ情けなさ時代は変わるさしすせそかな」

  「肩を揉む息子の体温伝わりて外の寒さも忘れほのぼの」

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