○今日から山口県へ春を迎えに旅に出ます。
shin-1さんの日記
○春一番が吹きました
昨日は朝から立って歩けないほどの強風が吹き、海も山も大荒れでした。前の晩テレビの画面に映し出された天気図を見て、全てが春一番の吹く条件を満たしているようだったので、強風は嫌だけど子どもがはしかをするように、春一番が吹かないと季節が変わらないものですから、ある意味期待をしていたのです。
私は元漁師をしていて、水産高校で詳しい気象の勉強をしているのでまるで気象予報士のように天気についてはそれなりの知識を持っているつもりです。特に地元の漁師さんは「板子一枚下地獄」といわれる危険な海の上での労働を強いられるため、気象衛星のなかった昔から言い伝えで天気予知能力を磨いていたのです。「お日さまが高入りすると雨になる」「秋の夕焼け鎌を研げ」「夏の夕焼け川向う渡るな」「沖の島に雲がかかるとやまぜが強くなる」などなど、子どもの頃から古老の頃から言い伝えを沢山聞いてきました。しかし気象衛星の普及による天気予知能力が高まるにつれて、そんな昔からの言い伝えも忘れられる運命にあるのは、返す返すも残念です。私も漁師をしていた頃は十指に余る言い伝えを覚えていましたが、海の暮らしから陸の暮らしになってから、全天候の室内に仕事が変わってしまい、その殆どを忘れてしまったのです。
春一番とは立春から春分の日の間に吹く風です。日本海で発達した低気圧から延びる寒冷前線と温暖前線の間で吹く、東南東から西南西の8m/S以上の風で、南から低気圧に向かって強い南寄りの風が吹いて温度が急に上昇するのです。その後は天気が悪くなって雨が降ったり雪に変わって、上がった気温が急激に下がったりするのです。春一番が吹くと春遠からじで、これからは三寒四温の巡りが早くなって、天気~雨を繰り返しながら次第に温度が上がって、日本列島は南から冬域を脱出するのです。
それにしても昨日の南風は強くて、近所でも小屋が倒れたりする被害が出たようでした。幸いわが家では背後にある小山が衝立のように風を防いでくれているので、他の場所に比べれば幾分か弱いようで、何の被害も出ませんでした。こんな強い風の日は外に出るのもおっくうで、これも幸いにして昨日は久しぶりの在宅で、不安そうに強風の止むのを待つ親父とともに、積もる話をしながら過ごしました。講演原稿の校正を済ませて町内の小学校へ出かけましたが、海は山から吹き下ろす強風が海面の塩水を巻き上げていました。その風は夕方になっても一向に収まらず、川向うの山は不気味なほど唸りを上げていましたが、今朝になるとすっかり収まっているようです。
(潮煙りの立つ昨日の瀬戸内海、でも写真に写った姿はどことなく春の色のようです)
わが家の庭の木々や野菜にはまだ春の兆しは余り見えませんが、菜園では早くもハコベがはびこり始め、草刈りの予感を思わせました。そんな中で昨年友人にいただいたブルーベリーの大きな鉢植えだけは春真っただ中で、既に芽吹いて花芽を無数につけているのです。昨秋これでもかというほど油粕をやって世話らしき世話をしていた効果が出たのか、今年も結実が期待できそうです。
昨日近所でブルーベリー園を営む友人の所へ強風の中お邪魔しましたが、頼んでいた鉢植えも準備ができているようで、近々届けると言ってもらい今年は力を入れてブルーベリーの世話をしたいと思っています。最近は健康ブームもあってブルーベリーが偉い人気で、あちらこちらでブルーベリー園を見かけるようになりました。またブルーベリーを加工したサプリメントが目にいいと宣伝するものですから、私も妻もその気になって昨年は沢山食べました。結果や効果は知る由もありませんが、今から初夏の実成りの季節が楽しみです。春一番が吹き春はもうそこまで来ているようです。
「春一番 大荒れ吹いて 去って行く 春はそこまで 来ているようだ」
「木も草も 冬の眠りを 楽しんで ブルベリだけは 早いお目覚め」
「何処となく ウキウキするよ 春一番 ♭どこかで春が♯ 思わず歌う」
「瀬戸内も 春一番の 潮煙り 向こうに見える 島影かすみ」