○車窓から垣間見える社会
車を運転していて、交差点で信号赤の指示に従って止まります。前の車の様子は余り見えませんが、バックミラーから見える後ろの車と、横の車線に並んで止まった車にはついつい目が行くものです。特にそれらの車の運転をしている人が女性だったら、余計気になって見て見ぬふりをしてさりげなく見るものです。やはり私は男だから異性に興味があるのかもしれません。今朝も松山市内の交差点で一人はメールする人、一人はお化粧する人、もう一人は煙草を吹かす人の姿を見ました。
運転しながら携帯電話をすることは道路交通法違反ですから絶対してはなりません。かくいう私も止むにやまれぬ用件が入り携帯電話に出た瞬間、後ろからパトカーのサイレンが鳴り捕まった経験があるだけに、今は現に謹んでいるところなのですが、電話どころかメールを打ち続けているのです。信号が青になって他の車は発進したのに、そのことにも気付かず、ついにはブーイングのクラクションを鳴らされ初めてそのことにkがついたようです。最近は歩きながら携帯メール、自転車に乗りながら携帯メール、講演を聞きながら携帯メールなどなど、特に若い人たちに多いようです。音楽を聴きながら勉強することができる「ながら族」にとっては、当たり前のことかもしれませんが、私たちのような一極集中しかできない古い人間には、携帯電話をかけながら運転することなどもっての外だと深く深く反省しながらその女性の姿を見ました。
車のバックミラーにお化粧する女性が写りました。その人は運転しながら片手に口紅を持っていました。やがて車が止まると、まるで唐辛子のような真っ赤な口紅を塗っていました。最近の若い人は人の前だろうが電車の中だろうが平気でお化粧をします。普通お化粧は人知れずするものとばかり思っていましたが、ひどい人は人の前で小道具を取り出しつけまつげまでつけるのですから驚きです。ある時電車の中で口紅をつけていて電車が大きく揺れ、口紅が唇どころか顔に大きくはみ出した姿を見て思わずくすくす笑いをしたことを思い出しました。朝寝坊をしてお化粧する暇もなく勤めに行く女性にとって車の中は化粧室なのかもしれませんが、せめてつけるのだったらつけまつげくらいは自分の家でつけて外出してほしいと思うのです。つけまつげのできそこないはまるでたわしのようで、興ざめするのです。
若い女性のたばこを吸う姿も最近はよく見かけるようになりました。「タバコは百害あって一利なし」と言われるように、タクシーも駅のホームだって間接喫煙の害があるということで、禁煙の場所は次第に広がりを見せています。タバコを吸うことは20歳以上になれば別にどうこう言うことはなく個人の自由ですし、自家用車の車内で吸うことも別に悪いことではありません。しかし子どもを産み育てる若い女性だけは止めた方がいいのにと思うのは間違った考えでしょうか。目鼻立ちもよく好きそうな女性が、格好よく煙草を吹かす姿は映画に出てくるシーンとよく似ています。でもそこらへんの田舎の娘がいくら気取って煙草を横食わえにしていても、余り魅力は感じないものです。車の窓から見える女性の人間模様も中々楽しいものだと思いました。おっと、よそ見せず前を向いてしっかりと運転してください。若松進一さん。
「ふと見れば 隣の女性 スパスパと タバコ吸ってる 顔はいいのに」
「あの人も 車の中は 化粧室 口紅赤く 唐辛子のよう」
「メール打つ 信号青に なりました クラクション音 そのこと気付く」
「色々な ことを窓から 垣間見る 人はどこかで 人を見ている」