〇お疲れ様扇子とウチワと扇風機
一年を寒い、暑い、丁度よい時期に色分けすると、私の住む四国愛媛県では多少寒い時期と暑い時期が入り混じっているものの、12月~3月が寒い時期、6月~9月が暑い時期、4月~5月と10月~11月が丁度良い時期に3等分分類されるようです。丁度良い春と秋の時期は別として現代は、寒い時期にはストーブ等の暖房器具、暑い時期にはエアコン等の冷房器具の手助けを得て、快適に暮らせるよう工夫がされているので、極端な寒さに震えたり炎熱烈火に消沈したりすることもないのです。私が子どものころは戦後間もないこともあって日本全体が貧乏で、暖房は火鉢とコタツ程度の暖房器具だったため、冬の寒さでアカギレから血が滲んだこともありました。また夏は冷房等なく、冷蔵庫も普及していなかったので、木陰や海に涼を求めたものでした。故に少年のころの冬や夏の思い出が多いというのも不思議な話です。
先日オホーツク海に面した北海道佐呂間町に住む、友人井田さんと電話でお話したところ、佐呂間では朝晩車のフロントガラスが凍って、出かける時水やお湯をかけて解凍しているという話を聞きました。ここ四国ではまだ昼間等半袖で歩いている人を見かけるというのに、えらい違いだと驚きました。電話で聞いた気候を想像すると、私の町の真冬の状態が早くも井田さんの住む町には訪れているようで、改めて狭い日本といいながら、南北に細長い日本の姿を垣間見る思いがしました。
私の家には今年8月15日から、私が引越しした書斎兼応接間にしかエアコンがありませんでした。ところが今年の5月から息子たちが同居するようになって、息子たちの使っているダイニングと2階の居間と寝室にエアコンが付けられ、息子たちは少なからずエアコンの恩恵に浴したようですが、私も妻も冷房が嫌いな健康夫婦なので、書斎のエアコンは今年一度も使うことなく暑い時期を乗り切りました。
暑い時期といえば扇子にウチワに扇風機、これが私の必需品です。私が愛用している扇子は落伍(落語ではない)に使う小型シンプルなもので、木になるカバンに忍ばせて持ち歩いていましたが、暑い季節が終ったので書棚の引き出しにしまいました。扇風機ももうそろそろ拭き掃除をしてビニール袋を被せ、倉庫にしまおうと思っています。
今年もウチワをあちこちで何本か貰いました。今年は東日本大震災の影響で節電思想がかなり普及したのか、ウチワにとっては久々陽の当たる夏だったようで、産地四国香川丸亀では生産が追いつかなかったようです。季節が過ぎて使われなくなったウチワは捨てるか来年までしまっておくかですが、わが家の書斎には勿体ないと思って毎年しまっているウチワがもう30本近くになっているのです。
ウチワは日本人が産んだ生活文化なので、特に竹製のウチワ等は芸術品のような気がするのです。今年貰ったウチワの殆んどはビニールの骨組みですが、張ってあるのは紙で、涼をイメージする朝顔や金魚、風鈴の絵に混じって、会社の製品をPRするもの、会社や団体の名前が入っているものなどまちまちですが、手にとってあおぐとさわやかで心地よい人工風がほおを撫でてくれるのです。このウチワも今日で来年の6月まで深い眠るにつくのです。
「センス良く 扇子使って 涼をとる 仕事終りて 引き出ししまう」
「震災の 影響省エネ 内輪揉め ウチワ久々 ヒノキ舞台に」
「扇風機 首振り続け ご苦労さん お身を拭いて 倉庫へ移動」
「丁度良い 季節迎えて 夏終る 扇子にウチワ 来年夏まで」