shin-1さんの日記

〇送られてきた「まんでぃ」という写真集

 鹿児島県瀬戸内町から「まんでぃ」という一冊の写真集が送られてきました。写真集といっても224ページにも及ぶ旅雑誌風の本格的なもので、この一冊があれば瀬戸内町の全てが分かるというほど微細に編集がされていて、正直驚きました。

 瀬戸内町という名前を聞けば素人は、中国地方と四国地方に囲まれた瀬戸内海のどこかを連想するのでしょうが、瀬戸内町は鹿児島県奄美大島南西部に位置し、鹿児島県といっても鹿児島市内から奄美大島名瀬にある奄美空港まで飛行機で約1時間、フェリーだと気の遠くなるような11時間もかかるのです。奄美空港から名瀬市内へ約1時間、名瀬市内からバスだとさらに1時間30分かかる日本の国内の外国という表現がぴったりする遠隔な土地なのです。

 マングローブの海岸線を通って中心地古仁屋に着きますが、瀬戸内町は奄美大島本島部(人口8,424人)と加計呂麻島(人口1,454人)、諸島(人口148人)、与路島(人口102人)という3つの有人島で構成されている人口10,128人の町なのです。

shin-1さんの日記

 瀬戸内町とのご縁は、もう20年も前に鹿児島県庁地方課の招きで鹿児島で開かれ市町村研修会に出かけた折、私の話を聞いた担当者がわか瀬戸内町でもと声をかけてもらい、何度か講演で足を運んだのがきっかけです。その後瀬戸内町の若者たちが大勢わが双海町へもやって来て、当時は物産交流にまで発展、瀬戸内町から送られたデイゴの木はシーサイド公園に植えられ、今も夏になると昔を懐かしむように真っ赤な花を咲かせているのです。
 送られてきた封筒を開けると中から一冊の本と共に一枚のポストカードが出てきました。瀬戸内町役場まちづくり観光課に勤める重村さんからのメッセージでした。重村さんとは今は細々年賀状程度の交流ですが、時々懐かしくなってお互いが電話で声の交流をしています。重村さんは若い頃相撲で全日本のチャンピオンになったほどの実績を持っていますが、過去の経緯や風格とは似ても似つかぬほど文化的な人で、こんな立派な仕事をこなしているのです。

shin-1さんの日記
shin-1さんの日記

 「まんでぃ」の表紙の「南の島 天気は良好 旅の目的は ぼんやり」や、ポストカードの「なんにもないけど夕やけ 見においで」という短いメッセージが私の旅心をくすぐりました。瀬戸内町の加計呂麻島といえば寅さんシリーズでマドンナ役の浅丘ルリ子さんと共に登場する諸鈍のリリーの家を思い出します。私の町の下灘駅も寅さんがらみで知られていて、不思議なご縁を感じながら見学したことをお思い出しました。リリーの家の前には山田洋次監督が「寅さんは、今も加計呂麻島のあの美しい海岸で、リリーさんと愛を語らいながらのんびり暮らしているのだろう」とコメントした言葉を思い出しながらページをめくりました。

 また巻末のマップを見ながら、加計呂麻島西阿室で見た美しい夕日を思い出しました。わが双海町にも日本一といわれる美しいい夕日が西瀬戸に沈むのです。西阿室の人が知ってか知らずでか「西阿室の夕日は日本一」と自慢していたことを苦笑しながら聞き入っていたのもつい昨日のような出来事です。

 私の家の横にある私設公民館煙会所から分家した、第十七縁開所は今どうなっているのだろう。私もあれから国土交通省の観光カリスマ百選に選ばれ、瀬戸内町加計呂麻島のことを全国各地でずいぶん話したなあ。重村さんやその後町会議員となったと風の噂で聞いた池田さんは元気だろうか。リリーの家の近くのデイゴの大木は今年もそろそろ綺麗な花を咲かせるだろうなあ。などなど妻と二人で重村さんから送られた写真集をめくりながら心の中でつぶやきました。そしていつか瀬戸内町へこの写真集を持って妻と二人で旅をしたいと思っています。いつになることやら・・・・。



  「まんでぃと いう本瀬戸内 送り来る 懐かしくなり ページめくりて」

  「あの町を 再び訪ね 寅さんや 夕日まつわる 話がしたい」

  「美しい 加計呂麻島を 見せたいと 妻に話すが いつになるやら」

  「なにもない ゆえにのんびり 夕日見に おいでと誘う カード気に入る」

  

[ この記事をシェアする ]