〇孫希心の五月病と風邪のプレゼント
今年の4月にわが家の近くの保育園に入園した孫希心は、保育園へ楽しそうに行くであろうと思いきや、どういう訳か入園して1ヶ月にもなるというのに、朝になると保育園に行きたくないと泣いてぐずるのです。最近の子どもは状況に直ぐに馴れるので1ヶ月も泣く子は少ないのだそうですが、悪がきなのに何故か朝だけメソメソするのです。何か特効薬はないかと思い、母親に代わってこの一週間は私が時間を見計らって送り迎えしてみました。夜寝る前、「明日は誰と保育園へ行く」と私が聞けば、孫は「おじいちゃんと」と答え、「指切りげんまん?ついたら針千本飲~ます。指切った」などと元気に約束するのですが、残念ながら朝になるとぐずり、まあ少しは進歩の跡が見られますが、今週も他の園児のようにニコニコ笑顔でとはいきませんでした。
孫のこうした行動を五月病というのだそうです。若い大人でも学校や会社へ故郷や親元を離れて一人暮らしを始めると、ホームシックになるのです。やっと馴れたと思う頃ゴールデンウィークがやって来て、また心が元に引き戻され、学校や会社に行きたくなくなったり、無性に寂しくなるのです。
孫希心も保育園に入園することを楽しみにしていましたが、保育園へ入園するため父親の故郷へ帰郷して、これまで同じマンションにいた遊び相手がいなくなり、近所にはまだ一人も遊び相手がいないのです。加えてわが町は過疎の町なので、今年入園した5人の子どもは、男の孫を除けば4人全てが女の子なので、これまた心を許しあえる友達がいないのです。孫の保育園へ行きたくない五月病の原因はどうやらその辺にあるようなのです。
家に帰るころには元気で「ただいま」と大きな声で帰るので、「お帰り」と迎えてやりみんなで楽しかった保育園での出来事を聞くのです。少しずつ心の扉が開いてきたようで、五月病もやがて解消することでしょう。
孫は保育園で様々なものを貰ってきます。その最たるものは言葉と病気です。今まで喋ったこともないようなふざけた言葉を言って、エッと驚かされたりしますが、これも子ども社会の大事な学びなのです。数日前から孫が保育園から風邪を貰ってきました。その風邪は弟奏心に移り、母親や私たち夫婦にまで感染しました。私たち夫婦はこの冬一回も風邪など引かなかったのに、温かくなったこの時期に風邪を引くとは思いませんでした。孫の持って帰った風邪は強烈で、熱・咳・鼻水の三拍子が揃っているのです。保育園から帰った孫は母親がうがいと手洗いを励行させていますが、私に移すとは大した度胸です。
孫二人の風邪は峠を越えたものの、母親と私と妻の風邪は今がピークです。特に母親はかなり酷く昨日は近くの病院へ点滴をしに出かけたようです。注射と薬が大の苦手な私は妻の薬を貰って飲まされましたが、自家製のカリン酒のお陰で咳は収まりましたが、鼻水は相変わらずでティシュペーパーを沢山使っているのです。
それでも風邪を移されようとも、「じいちゃん、ばあちゃん」と傍に寄ってくれる孫の存在は何かホッとして、今では孫がまるでペットのような役割を果たしてくれているのです。同じ屋根の下に住み、言葉を掛け合い、同じ物を食べる同居人の孫の存在は、私たち夫婦の生きがいになりつつあるようです。
ただ今朝6時のチャイムがなり始めました。孫が2階から降りて来て、「おじいいちゃんおはよう」と元気な声で私の書斎へやって来ました。孫は今日から土日の2連休、また週明けには多少ぐずることでしょう。
「泣きべその 孫はただ今 五月病 なだめすかして 毎日大変」
「お土産に 貰ったものは 風邪でした 家族全員 お裾わけされ」
「孫言葉 何処で習って きたのだろう 意味が不明で 聞き返したり」
「お早うと 朝一番に やって来る 孫の挨拶 嬉しかりけり」