shin-1さんの日記

〇浜昼顔が咲いています

 昨日の夕方来客を人間牧場へ案内して帰る途中、シーサイド公園の直ぐ横にある灘町海岸で何やら珍しい光景を車の中から目の当たりにしました。私は好奇心の塊のような男なので早速灘町集会所横の駐車場に車を止めて海岸に下りました。見ると砂浜一面にラッパのような花が一面に咲いて、そよ風に揺れているのです。とっさにこの花が浜昼顔だと思いました。淡いピンクの花は何とも愛らしく、ポケットに持っていたデジカメで写真を撮りました。

 ふと島崎藤村作詞の椰子の実」という歌を思い出しました。この歌は民俗学者柳田國男が神奈川県を旅した時の情景を親友の島崎藤村に話し、生まれたものだそうです。

 ♯名も知らぬ 遠き島より 流れ寄る椰子の実ひとつ 故郷の岸を離れて 汝(なれ)はそも波に幾月♭

 この場所は元々小石と荒砂の浜でした。私が関わって造ったシーサイド公園の人工砂浜の砂が流砂堆積したのですが、この20年間で浜昼顔がこんなに群生するのを見たのは初めてなのです。

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 浜昼顔の種を誰かが蒔いたことは考えにくく、椰子の実と同じように浜昼顔も漂流植物だとしたら納得がいくのです。昨年息子の赴任地であった伯方島へ転勤の荷物を運んだ時妻と立ち寄った道の駅の海岸にもこれと同じような浜昼顔が咲いていたのを思い出しました。

 それにしてもこれだけの群生ですから驚きです。この海岸はこの頃になるとバーベキューなどをする人などで賑わう場所なので、花は踏みつけられてしまうことでしょうが、美しいがゆえに一時期でも保護したいような気持ちになりました。

 今の世の中は足元にこんな美しい浜昼顔が咲いているのに、殆んどの人が目もくれず、花より団子とばかりに踏みつけてしまうのです。


 実はこの海岸にはもう一つ珍しい植物がはびこっています。それは黄色いキンケイソウなのです。これも種を蒔いた人はいないのでどうやら何かの拍子で種を落としたものがはびこったようなのです。キンケイソウは外来の帰化植物なのですが、五月中旬から花を咲かせ、菜の花と同じように黄色い花のジュータンのように咲いてそれは見事で綺麗です。

 池ではブラックバスが、道端ではキンケイソウやセイタカアワダチソウがわが者顔に咲いて、日本の在来動植物を侵そうとしています。キンケイソウは元々国道の法面の切り盛りした場所へ種を蒔いたのが車に乗ってあちこちへ運ばれ増えたものと思われます。良し悪しは別として浜昼顔の次に咲く綺麗なキンケイソウの花を、今年も楽しみたいと思っています。


  「名も知らぬ 遠き浜より 流れ着く 浜昼顔は 今を盛りと」

  「塩水に 強い植物 逞しく 蒔きもしないで 一面はびこる」

  「昼顔の 花など愛でる 人もなく キャンパーたちは 踏みつけ歩く」

  「昼顔と キンケイソウが 咲き誇る 浜は自然に 任せ咲きたる」

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