shin-1さんの日記

○4、巧言令色鮮矣仁

 論語日めぐりカレンダーの4に「巧言令色鮮矣仁」(学而第一・陽貨第十七)というのがあります。論語読みの論語知らずという言葉の通り、私のような浅学なものでも子どもの頃からこの言葉はよく知っていましたが、はてさて言葉の意味はそんなに教わることもなく今日まで過ごしてきました。「こうげんれいしょく すくなしじん」と読み、「心にもないお世辞を言ったり、お世辞笑いをする人は人徳が少ない」との教えです。

若松進一ブログ

 はてさて私たち人間には、お世辞を言って相手に媚を売る甘口人間と、絶えず相手に反論する辛口人間の二つのタイプがあるようです。強いて言えばその中間的な甘口と辛口を使い分ける人間もいるようですが、格好よく言えば私は甘辛併用、悪く言えばどちらつかずかもも知れないと一人苦笑するのです。相手に対して自分の考えを述べることは生きていく上でとても大切なことなのですが、相手に気に入ってもらおうと思い、殊更にお世辞を言ったりすることは厳に慎まなければならないことだと思うのです。

 私のようにまちづくりに深くかかわり、私設公民館煙会所や人間牧場を自費で造って来る人拒まずの暮らしをもう40年近くやっていると、沢山の人が訪ねてやって来ます。その度に相手と意見を戦わせ、時には大多数の人をも相手にしてきましたが、心の病の淵をさまよって救いを求めてやって来る人や、大きな人生の壁にぶち当たって失望し、その壁やトンネルを越えたり抜け出す手立てを求めてやって来る人には、時として甘口、時として辛口を使い分けながら対応してきました。

 私のようにある程度の年齢を重ねて、少しばかり色々な人の心を読みと取れるようになってくると、相手が殊更に心にもないお世辞を言ったり、お世辞笑いをする人の言動をある程度見抜くことが出来るのです。

 昨日人間牧場で座談をしていると、「若松さんは何故政治を目指さないのですか?」と唐突な質問がありました。勿論それは私の力を過信した巧言令色なのでしょうが、私は「政治家は巧言令色の人が多いように思うので、そんな人にはなりたくない」と、少しだけ強がって見せました。

 確かに私には政治家になるほどの実力はありません。しかも政治家のように言葉巧みに巧言令色を使い分ける便利な生き方が出来ないのです。私はこれまでにも選挙の度に田舎の政治ながら、「政治家にならないか」と誘われてきました。断る言葉が見つからず、「選挙に出るのだったら離婚すると妻に言われているので・・・」とお茶を濁してその道への誘いをすり抜けて来ました。結果的には正解で、私のある友人のように一度二度当選してヒーローになってもその後の落選で全てを失い凋落の日々を過ごしているのです。

 私には子どもが4人います。子育ての最中には子育ての手法として、時には優しく抱きかかえるように、時には厳しく突き放すように巧言令色的な言や態度を使ってきましたがこれは許される範囲で、どうにか人並みな普通の社会人に育った子どもたちを見て反省はせず、むしろ良かったような気もするのです。

 これからも「巧言令色鮮なし仁」を心の戒めとして、人に接したいと思いました。


  「日めぐりに 巧言令色 鮮なし仁 今日の言葉と 拳拳服膺」

  「人徳は 日々の精進 積み重ね 今日より明日 いい人目指す」

  「また一つ 自分戒め 今日言葉 論語読みにて 論語も知らず」

  「論語から 学びて時に 之習う わが子無理でも 孫に教える」

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